今が見ごろのネオワイズ彗星 肉眼でも観察可能 NASA

2020年7月15日 07:23

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7月5日に観測されたNEOWISE彗星の雄姿 (c) NASA

7月5日に観測されたNEOWISE彗星の雄姿 (c) NASA[写真拡大]

 最近は様々な観測衛星によって彗星発見のニュースがもたらされている。今年はATLAS(アトラス)彗星 (C/2019 Y4)やSWAN(スワン)彗星 (C/2020 F8)が発見され、最接近時には肉眼での観察も可能になると期待されていたが、いずれも道半ばで核の崩壊の憂き目に遭い私たちの目を楽しませることはかなわなかった。

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 だが、これから8月末にかけてNEOWISE(ネオワイズ)彗星(C/2020 F3)が肉眼で見えるとの情報がNASAによって報じられている。この彗星は、NASAの近地球オブジェクト広視野赤外線サーベイエクスプローラNEOWISEによって、今年3月27日に発見されたもので、7月5日に観測された2つに分かれた美しい尾を引く雄姿がネットで公開されている。

 この写真で後ろにまっすぐ伸びている尾はイオンテイルと呼ばれるもので、太陽の強い光の中で彗星が電子を失うことによってイオン化されたガスでできている。また、画面下側にやや曲がって見える尾はダストテイルと呼ばれ、ダストが彗星の核の表面から離脱したものである。この2種類の尾が明確に観測できる彗星には最近ではなかなかお目にかかれなかっただけに、まさに感動モノである。

 私たちが最も興味があるのは、この彗星がどのくらいの明るさで、どの方向に見えるのかという情報だ。最近の4半世紀中で北半球において見られる最も明るい彗星であるとの情報もあり、6月末の観測データによれば、既に0~1等星級の明るさになっているという。

 また地球から見たダストテイルの広がりは、6度に達するという情報もある。月の見かけの直径が約0.5度であることから、NEOWISE彗星の大きさは相当なものであると期待される。ただし、肉眼で6度の大きさに見えるというわけではないので、そこは過度に期待しないほうが良いだろう。肉眼での発見が容易なので、それを双眼鏡でじっくりと眺めれば美しい尾を見ることができるかもしれない。

 日本は今、梅雨真っ盛りであり、晴れた日は非常に少ないのでこれからは毎日、天気予報に注目しよう。7月はじめは、明け方の東の空に見えるぎょしゃ座のカペラ付近でその雄姿が確認できたが、7月後半になると舞台は夕方の空に移る。北西の空に注目だ。

 また彗星はその軌道特性上、非常に低空で見えることにも注意してほしい。明け方は太陽が出てくると彗星観望の邪魔になる。逆に夕方は日没直後から狙いを定めるのが良いが、日没直後はまだ空が明るいため見つけにくい。つまり、これからは日没後根気よく北西の空を眺めていることが観望の秘訣となる。 (記事:cedar3・記事一覧を見る

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