遅れた日産、先を行くマツダ、見通したトヨタ、売り方のスバル、出直しホンダ (1)

2020年7月2日 16:38

印刷

(c) 123rf

(c) 123rf[写真拡大]

 第4次産業革命(インダストリー4.0)が、激しい勢いで進んでいく。自動車業界に何が起こっているのか?そして、クルマはどのような姿になるのか?一言で言えば「ネットでオーダーメイドのクルマを注文し、今までと同じように手に入る」ことだが、洋服のオーダーメイドでも高額で納期が長くなるのに、「クルマの生産で出来るのか?」と今の段階では疑問に感じることだろう。

【こちらも】「トヨタ・ヤリスクロス」と「日産・キックス」で見える企業としての実力差

 ユーザーの使い方や企業の販売方法の変化を見てみたい。「CASE」Connected(コネクティッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)との関係はいかなるものなのか?

 「マス・カスタマイゼーション(mass customization)」、「スマート・シティ(Smart City)」、「コネクティッド・シティ(Connected City)」、「ウーブン・シティ(Woven City)」、「インテリジェント・ファクトリー(Intelligent Factory)」、「スマート・ファクトリー(Smart Factory)」などの英語も飛び交う中で、その言葉の意味を総合的に見つめてみよう。

■第4次産業革命(インダストリー4.0・Industry 4.0)

 現代は、「第4次産業革命(インダストリー4.0)」のときと言われている。CPS(サイバーフィジカルシステム・Cyber Physical System)つまり現実の世界で情報を集め、IoTやAIなどを駆使して分析し活用していく世界の構築を目指している。簡単に言えば、「ネットで商品のオーダーメイドを受け付け、AIを駆使して造ってジャストインタイムに対応する」ことだ。

●第1次産業革命「蒸気機関」

 それでは過去を振り返り、「第1次産業革命」はそもそもどのようなことであったのだろうか?それは、18世紀中ごろから起き始めた蒸気機関の発明に起因する「工業化」の波である。「工業化」とは、「手工業」から工場生産へと大規模化していった状態を言っているようだ。つまり「職人芸」による物造りから、動力で動かされる工作機械を用いた大量生産時代の到来の始まりだった。

 工場では、蒸気機関で回されているシャフトが天井を走り、そこから個別の工作機械にベルトで動力が供給されるシステムだった。手工業と比較すると効率は飛躍的に高まって、工業製品の大量供給によって価格が下落した。この代表例は、ナチスドイツ・ヒトラーの命じた「国民車構想」だった。今でも街中で見ることが出来るVW・ビートル、通称カブトムシである。

 それは、モデルチェンジなしで大量に同じものを造り出し、価格を下げて、当時、高価だった自動車を国民全体に行き渡らせる計画だった。「マス・プロダクション(mass production)」、「大量生産」時代の到来だった。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 遅れた日産、先を行くマツダ、見通したトヨタ、売り方のスバル、出直しホンダ (2)

関連キーワード

関連記事