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毎日コムネットに見る、少子化時代でも廃れない「首都圏の学生市場」の理由
毎日コムネットは、言葉を選ばずに言えば「少子化」時代を逆手にとって成長階段を着実に上り続けている。直近でも「3.6%の増収、15.0%の営業増益」に続き今5月期も「191億2000万円(9.8%増収)、21億3000万円(4.7%営業増益)」計画で立ち上がり、昨年11月29日に中間期を上方修正。開示済みの6-11月期の修正計画に対する進捗率は「営業利益で103.3%」と、通期上方修正に含みを持たせた。
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毎日コムネットは「学生専用マンション」「学生寮」を開発、サブリース方式で運営管理するのが主業。20戸程度の小型案件から800戸を超える大型物件まで、前期末で9520戸の管理を手掛けている。創業者社長の伊藤守氏は「(管理戸数は)今期末で1万戸を超える予定」とし、過去をこんな風に振り返っている。
「(JASDAQ)上場翌年2003年の管理戸数は2200戸。いまはその約4.4倍。証券取引所の担当者から“これからは少子化で子供が減少していく。学生市場が先細る状況の中での上場は厳しいのでは”と言われた。学生市場を20年前もいまも誤解している人が多い。確かに子供の数は減っているけど、首都圏の大学生数は横ばいで推移している。この傾向は今後とも続くと見ている」。
また伊藤氏は、こう正直に打ち明けている。「管理している物件の入居者の約7割が女子学生。09年の47万人から10年間で52万人に増えていることが背景だが、親御さんは手元を離れる彼女たちに対し最も気遣うのはセキュリティ。うちの管理物件にその当たりを評価してもらっている証しかと。家賃は親御さんから支払われるケースが殆ど。お陰で目下の入居率・家賃回収率とも100%」。
ただ学生マンション・寮の保有者に変化が起こり始めているという。65%以上が法人オーナー化している。ならすと毎日コムネットが管理する物件の利回りは5~6%。個人オーナーにはいささか物足りない。
だが例えば三井不動産レジデンシャルや体制有楽不動産など大手不動産が学生寮に進出する、といったケースが目立つ。「金融機関の子会社やREITの参入もある。彼らにすれば6~7%の利回りで、この低金利時代に十分採算が合うからだ」(伊藤氏)。
シノケングループが初の「アパート物件特化型REIT(都区23区の物件を組み入れ)」に着手しているが、米国には学生寮に特化した上場REITもある。デベロッパーや金融機関系ファンドが「学生寮型REIT」を組成してくることも、十分考えられる。
是非はともかく、首都圏(東京)は未だ「金を生み出す」木と言えそうである。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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