13日の香港市場概況:ハンセン0.3%安で続落、本土株指数は0.04%上昇

2020年5月13日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 13日の香港市場概況:ハンセン0.3%安で続落、本土株指数は0.04%上昇
13日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比65.38ポイント(0.27%)安の24180.30ポイントと続落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は3.61ポイント(0.04%)高の9835.71ポイントと反発した。売買代金は1035億3700万香港ドルとなっている(12日は970億4900万香港ドル)。

好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開。まず、新型コロナウイルス感染の警戒感がくすぶっていることはマイナスだ。国際通貨基金(IMF)のエコノミストは12日、「アジアや欧州各国が性急に行動制限を解除した場合、新型コロナ感染流行の第2波が到来するリスクが高まる」と改めて警告している。米中関係の不透明感も強まる状況。ロイター通信は12日、「米共和党上院議員は、新型コロナの説明責任を巡る対中制裁法案をまとめた」と報じた。

他方、中国の政策期待は高まっている。中国国務院(内閣に相当)は12日、新型コロナ感染拡大の影響に対処するため、中小企業に対する金融支援のほか、民間投資や消費支出を拡大させる方針を改めて示した。これより先、中国人民銀行(中央銀行)が10日に公表した1~3月の金融政策執行報告では、「過剰流動性回避」の文言が削除されている。金融緩和を示唆した格好だ。

ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)と中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)がそろって2.2%安、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.1%安と下げが目立った。

セクター別では、海運・空運が安い。中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.3%、中遠海運HD(1919/HK)が2.8%、太平洋航運集団(2343/HK)が1.1%、中国東方航空(670/HK)が3.8%、中国南方航空(1055/HK)が2.9%、中国国際航空(753/HK)が2.2%ずつ値を下げた。

他の個別株動向では、米市場に重複上場する中国電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が1.7%安。米トランプ政権が連邦職員の年金基金に対し、中国株への投資を停止するよう求めたもよう——と伝わったことが嫌気された。
半面、食品飲料や酒造、サニタリー用品など消費関連セクターはしっかり。康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.5%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.4%高、中国旺旺HD(151/HK)が1.7%高、青島ビール(168/HK)が3.4%高、維達国際HD(3331/HK)が3.8%高、恒安国際集団(1044/HK)が1.4%高と上昇した。

このほか、(議決権の異なる)種類株を発行する銘柄群も物色される。美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が5.4%高、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が1.5%高で引けた。飲食など生活関連ポータルサイトの美団点評は上場来高値を更新している。香港ハンセン指数採用の期待が浮上。種類株を発行する企業や香港にセカンダリー上場する銘柄について、ハンセン・インデックシズ(HSI)は週明け18日に結果を発表する。

一方、本土市場は3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%高の2898.05ポイントで取引を終えた。消費関連株が高い。医薬品株、発電やガスの公益株、不動産株、ハイテク株の一角なども買われた。半面、自動車株は安い。テレワーク関連株、金融株とエネルギー株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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