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ケンタウルス族小天体の起源は太陽系外か 英の研究
太陽系に存在している小天体は、基本的には、小惑星と彗星の2種類に大別されるのが常識である。しかしながら、そのどちらにも明確に分類できないものも存在する。それがケンタウルス型小天体である。
【こちらも】太陽に接近しない彗星がやがて大彗星となる可能性 ケンタウルス族のお話
ケンタウルス族は、木星の公転軌道と海王星の公転軌道の間を周回している小天体だが、土星のようなリングを持つものまで存在している奇妙な存在である。そしてその多くは時々明るさを増すことがあり、小惑星よりもむしろ彗星に近い存在ではないかとも言われている。
一般的に知られている彗星は、海王星以遠からやってきて楕円軌道を描き、時折太陽に接近して光度を増し、美しい尾を引くので、望遠鏡観測によってすぐにそれとわかる。だがケンタウルス族は、太陽に接近する機会がほとんどなく、おまけに光度も暗いので、小惑星なのか彗星なのか明確な区別がつけにくいというのがその実態である。
4月下旬、英国王立天文学会誌に興味深い論文が投稿された。それによれば、ケンタウルス族小天体のほとんどが、太陽系外を起源とするらしい。この論文によれば、ケンタウルス族の小天体のうち、際立って奇妙な行動をとる19個をピックアップし、その軌道を過去にさかのぼってシミュレーションした。結果、それらすべてが、もともと太陽系以外の宇宙空間から飛来した可能性が非常に高いという計算結果が、得られたという。
ここで際立って奇妙な行動を持つ天体とは、公転軌道が地球のそれと比べて垂直に近いもの、他の惑星と逆方向に公転しているものを指す。ただし、太陽系外天体として知られているオウムアムアやボリソフ彗星とは、振る舞いが全く異なることに注意してほしい。
その理由は、オウムアムアもボリソフ彗星も太陽系外から飛来して間もない状況で発見されており、ケンタウルス型小天体のように太陽系内を公転していたわけではないからだ。また、この論文を発表した研究者が、ケンタウルス族が太陽系外から飛来した可能性が高いと判断した理由は、コンピューターシミュレーションで45億年前まで軌道をさかのぼったところ、太陽系の起源となった原始惑星系水平円盤から逸脱しており、これらとは垂直に近い公転軌道を示したからである。
オウムアムアやボリソフ彗星が太陽系にやってきた新参者とするならば、ケンタウルス族は45億年前に太陽系にやってきた古参天体ということになる。つまりそれらの天体は太陽や地球が誕生するよりも前から、宇宙に存在していたことになるのだ。 (記事:cedar3・記事一覧を見る)
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