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新型肺炎、金融機関の融資姿勢は緩やかに慎重化 官民挙げた中小支援が重要
帝国データバンクが新型肺炎の日本経済に及ぼす影響を分析。金融機関の融資姿勢は緩やかに慎重化しつつも、基本的には積極的な状態にある[写真拡大]
新型コロナウイルスの感染が広がっている。政府はすでにイベント等の中止・延期、全国一斉臨時休校を要請するなど社会全体が自粛モードとなっており経済活動は急速に縮小してきている。既に売上減を報告する業種も増えてきており、年度末の3月という時期を考えると中小零細企業を中心に資金繰りショートの多発が懸念される。
9日、帝国データバンクがレポート「新型肺炎が日本経済に及ぼす影響(2)」を公表し、新型肺炎の事業者への影響と金融機関の融資態度、必要な資金繰り支援策について分析した結果を示している。
レポートによれば、帝国データバンク「TDB景気動向調査」の融資姿勢 DIの推移をみると2010年以降、企業は金融機関の融資姿勢について積極的との見方を高めていたが17年12月頃をピークとして緩やかな低下傾向を示しており、既に新型肺炎以前より融資態度は引き締めの方向で推移してきたようだ。
しかし、今年2月時点での融資姿勢DIは55.8となっており、積極的か消極的かの分かれ目となる50を上回る水準で、今のところ融資態度は高水準を維持しているようだ。DIの内訳を見ると企業の約3 割が積極的と認識、消極的と感じている企業は1割程度にとどまっている。金融機関の融資姿勢は緩やかに慎重化しているものの基本的には積極的な状態を維持している状況だ。しかし、企業規模別にみると、小規模企業ほど融資姿勢を消極的と捉える割合が高くなっており、自粛ムードに影響を受けやすい中小零細での資金繰りが懸念される。
政府は3月7日の「新型コロナウイルス感染症対策本部」の中で「事業活動の縮小や雇用への対応」を挙げている。また日本銀行は3月2日に「適切な金融市場調節や資産買入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」方針を示している。民間レベルでも生命保険会社による契約者を対象とした中小企業の支援なども実施され、官民をあげた対応が広がっている模様だ。
企業からの声を見てみると「商品の生産遅延により回収も遅れ資金繰りに影響がある」(下着類卸売、兵庫県)などとなっており、資金ショートの連鎖が起こり得る待ったなしの危機的状況のようだ。
レポートでは「中小企業等への緊急融資だけでは返済時に再び資金繰りに窮する恐れもある。そのため正確な情報提供とともに減税措置などによる負担軽減策も同時に必要であろう」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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