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【ホンダが危ない】ホンダ系サプライヤー・ケーヒン (1/2) トヨタからの受注にかける思い
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ホンダ系大手サプライヤーのケーヒンは、41%の株式をホンダが持ち、80%の売上げをホンダに頼るホンダの系列会社だ。それがホンダを離れ、トヨタからの受注に期待をかけている。これはホンダがケーヒンの独立を目指す方針であるからだ。
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グローバル企業となったホンダは、「グローバル発注」を基本方針としているのであろう。そして何より、ホンダ単独でケーヒンのような「下請け」を率いていく力がなくなっているからであろう。
「系列」企業は、日本独特の「下請け」制度の名残である。日産自動車はルノーからの出資を受けたとき、カルロス・ゴーンの登場によって痛みを伴いながら系列を整理していった。系列企業は「コストが高い」として、グローバル企業では「悪」となっているのだ。
系列を守っているトヨタでさえ、系列企業に「他社に販売し独立せよ」との姿勢を打ち出している。これは研究開発投資を出来るだけ早く回収し、再投資できるようにする狙いがあるからだ。変化の激しい現在、開発には多くの資金を要するため、独立した「大規模サプライヤー」から買う場合に比べて、資金を独自に用意していく負担を避けようとしているのだ。
これは「金融知識」で育った経営者の常道の考え方であるが、実は長期的には、それが必ずしも「資金効率を上げる」ことに繋がらないことを知らないのだ。金融知識から自動車産業を見るだけで不十分であるのは、以下に記載する自動車産業の「ビジネスモデル」を見れば明白になる。グローバル経営者の多くは「金融知識」の専門家であり、量産技術を知らないことに注目するべきだ。
ホンダの系列会社ケーヒンは、2030年度を目標に長期経営計画として売上高倍増(7,000億円)を目標に掲げている。それにはコスト競争で世界のサプライヤーに勝つ必要がある。それは、ホンダが「安いところから買えばよい」とする「グローバル発注」の方針を掲げてきたからだ。「下請けは甘い」と親会社のホンダとしては系列企業を叱咤したいのであろう。
部品のコストについて、「グローバル」発注では「部品そのものの価格」に注目する。その場合、世界の各生産拠点では共通のサプライヤーから仕入れることもある。ラインが中国にあっても欧州のサプライヤーから納品される部品もある。
そこにホンダの甘さがあるのが明白だ。経理上の数字からでは「ムダ」と判別できない膨大な資金が投入されていることに気付かない経営者が多く存在するのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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