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レベル4の自動運転実現へ ダイムラーが自動運転トラックの公道テスト
公道テストの様子。(画像: ダイムラーの発表資料より)[写真拡大]
ダイムラー(Daimler)は2月18日、アメリカでのレベル4の自動運転を目指してテストを拡大すると発表した。トラックの自動運転は実現できると、大きなメリットを生むことが分かっている。
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人間の移動は、「ネット社会」が浸透していくにつれ、生活に必要な移動は少なくなっていく。今現在も、新型コロナウイルス対策で「テレワーク」などにより対応が可能な仕事が分かってきている。だからと言って人の移動が大きく減る訳ではなく、物流は生活に必要で、これからも増え続けていくはずだ。
その中で、トラック輸送において完全自動運転、つまりレベル5の自動運転が実現できると、渋滞がない夜間の輸送などが実現しやすく、物流コストの革命となる。宅配もやりやすくなり、きめ細かなサービス実現が考えられる。しかし、現状ではレベル2がようやく実用化してきているところで、レベル3でも開発に困難がある。
ダイムラーは『2050年までに、世界の貨物輸送量は2倍以上に増える』と見通しており、レベル4の自動運転開発を急ぐとしている。今回のアメリカでの行動テストはバージニア州の高速道路で行われていたようだが、さらに新たなルートを加えて自動運転トラックの走行テストを加速するつもりのようだ。
ダイムラーは、自動運転技術について、2019年3月29日にアメリカ企業の買収を発表している。その企業は、バージニア州で2005年に設立のトルク・ロボティクス社だ。同社は、SUVから300トンの鉱山用トラックまでの自動運転技術を持っていると考えられている。今回の自動運転トラックの公道走行テストも、同社との共同作業だろう。
レベル4以上の自動運転技術の開発は難航している模様だが、例えば高速道路など走行区間を区切っていても、完全自動運転となると、AIを育てるデータに関してもレベルが違う相当量のデータが必要だ。トヨタなどもデータの質と量を確保することは、単独ではできていないようだ。
そのため現在、企業連合が組まれていく流れにあり、資金の分担や技術の相互提供を進める必要が生じている。これに乗り遅れると、たとえ1,000万台規模の生産量を誇る自動車メーカーでも、将来消滅する可能性が生まれる。
自動運転の技術開発で覇権争いが発生していることと同時に、業界再編成は他業種を巻き込んでのこととなっている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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