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新型コロナにも有効か 海藻にヒトコロナウイルスの増殖抑制する効果 中部大らの研究
あおさ(左)と集めている様子(右)(写真:中部大学の発表資料より)[写真拡大]
新型コロナウイルスが中国を中心に世界中へと蔓延している。中部大学は20日、海藻のあおさにヒトコロナウイルスの抗体を増やす効果があることを確認したと発表した。あおさは新型コロナウイルスに対しても効果が期待できるという。
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■生細胞に感染し増殖できるウイルス
病原体の一種であるウイルスは、遺伝子がたんぱく質に包まれた構造をしている。ウイルス自身は新陳代謝によって、遺伝子を複製・分裂し、増殖することはない。だが生きた細胞に感染すると、ウイルスは自らの遺伝子を複製し増殖できる。
ウイルスはDNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)等の遺伝子をもつが、細胞とは異なり一本鎖の核酸をもちうる。DNA、RNAのいずれかをもつウイルスは、表面がたんぱく質や脂肪の膜(エンベロープ)で覆われるかどうかで2つのタイプに分類できる。膜とRNAをもつウイルスにはヒトコロナウイルスやエイズウイルス、A型インフルエンザウイルス等が挙げられる。
ウイルス感染の治療には、治療薬やワクチン等を用いる方法が考えられる。だが治療薬の開発は莫大な費用と年月を要する。他方ワクチンの場合、ウイルス自体が変化すると完成時には効果が期待できない。とくにヒトコロナウイルス等のRNA型ウイルスの場合、膜内のたんぱく質の構造が変化しやすいという。
■新型コロナウイルスの増殖抑制にも期待
中部大学、江南化工(三重県四日市市)、ラムナン研究所などの研究者から構成されるグループが注目したのが、あおさに含まれるラムナン硫酸だ。研究グループはRNA型ウイルスの増殖を抑制する効果をラムナン硫酸がもつことを発見した。
ヒトコロナウイルスの感染実験に用いられる動物がいないことから、同じ構造ももつA型インフルエンザウイルスで感染マウスに対するラムナン硫酸の効果が調べられた。ラムナン硫酸投与3日後には、ウイルスの量が半減することが確認された。また投与2週間後には抗体が約2.3倍と大きく増殖した。
ヒトからヒトへと感染するコロナウイルスと動物からヒトへと感染したとみられる新型コロナウイルスは構造が類似しているという。研究グループは今後、コロナウイルス対策に特化した商品の開発を進めたいとしている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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