新型コロナウイルスから身を守るためにできること 消毒・加熱・マスクの効果は?

2020年2月13日 14:34

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エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルス
(サラヤホームページより引用)

エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルス (サラヤホームページより引用)[写真拡大]

 中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎などの疾患(WHOはこれらの病名をCOVID-19と命名している)は、まだまだわからないことが多い。マスクやアルコールジェルが売り切れる中、どうやって身を守ればいいか不安な状況が続いている。そんな中で、具体的に何ができるか考えてみたい。

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 コロナウイルスの名前の由来は、ウイルスを電子顕微鏡で見た姿が、太陽のコロナのような形をしているためである。一般的な風邪のウイルスもコロナウイルスの一種であり、多くの死者を出したSARSやMARSもこのウイルスの一種だ。変異などにより病原性や毒性が強いものになったとき、大きな問題となる。

 ウイルスの中には、アルコールで殺菌できるものとできないものがあるが、コロナウイルスはアルコールで死滅させることができる。

 コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどは、ウイルスの殻の外側に「エンベロープ」という脂質とタンパク質からなる薄い膜を持っている。アルコールはこのエンベロープを破壊し、ウイルスの活性は失われる。

 一方、ノロウイルスなどはエンベロープを持たず固い殻を持つのみだ。この硬い殻を壊すには次亜塩素酸が効果的だ。

 消毒に適しているのは70%から95%のアルコールだ。日本酒(15%)や焼酎(30%)ではウイルスを殺すことはできない。逆に100%の無水エタノールでもうまく殺菌ができない。

 消毒用として市販されているエタノールやイソプロパノールを原料としたものは、濃度も適切だ。アルコールで手を消毒するときは、指の間や手首までしっかりと行うことが大事だ。

 もし消毒用のアルコールが手に入らなくても、ハンドソープを使った手洗いで100万個あったウイルスを0.01%以下に減らせることがわかっている。正しい方法でしっかり洗うことが大切だ。

 また汚染した手で鼻や口を触ることは、風邪やインフルエンザについても感染の原因となっているため、避けるようにしたい。

 加熱でもウイルスは殺せる。ウイルスのエンベロープや殻はタンパク質でできているため、加熱すると変性する。例えばノロウイルスは85度で1分以上の加熱により殺すことができる。口からの感染があるか確定はしていないが、用心しておくに越したことはないだろう。

 マスクは感染を防げるのだろうか。感染者がマスクをすることで感染の広まりを防ぐことができる。では、予防のためのマスクはどうかというと、満員電車のように混雑しており、咳やくしゃみなどの飛沫が直接かかるような状況では効果があるだろう。それ以外の場所では、マスクの有無で感染に大きな差が出るとは考えにくい。

 マスクをしていないときに、咳やくしゃみが出そうになったら、手のひらではなく腕の内側でおさえる「咳エチケット」がすすめられている。手でおさえると、手についたウイルスが周りを汚染してしまうからだ。

 またマスクがないのにどうしても人混みに行かなくてはいけないときは、清潔なガーゼをマスクとして使ったり、ネックウォーマーで鼻まで覆うのもいいだろう。その場合外側は汚れるため、毎回洗濯し日光に当てて乾燥するといいだろう。

 そして何よりも大きな、ウイルスに対する防御は、私たちの免疫だ。免疫がウイルスに勝利すれば病気は治る。そのためにも、まずはバランスよく栄養をとる。粘膜を強くするビタミンAやビタミンC、免疫細胞の元になるタンパク質もしっかりとろう。

 また体を冷やさないようにし、部屋の加湿をして喉の粘膜を守る。恐れすぎずに、だが油断せず過ごしていきたい。(記事:室園美映子・記事一覧を見る

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