ドンキ運営のPPIH、宮崎県の百貨店「ボンベルタ橘」を買収

2020年2月6日 07:17

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PPIHが買収したボンベルタ橘(PPIH発表資料より)

PPIHが買収したボンベルタ橘(PPIH発表資料より)[写真拡大]

 ドン・キホーテを運営するディスカウントストア大手のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、宮崎県宮崎市橘通西で百貨店「ボンベルタ橘」などを運営する橘ホールディングス(HD)が発行する全株式を取得し、PPIHグループに加えた。ボンベルタ橘は今秋にもドン・キホーテを核とした商業施設に生まれ変わる見通しだ。

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 橘HDは宮崎市の米良電機産業など地元2社が2008年に設立、ボンベルタ橘を運営する橘百貨店と、隣接する宿泊施設のエアラインホテルを傘下に抱えている。買収額は明らかにされていないが、ボンベルタ橘で約70人とエアラインホテルで約40人の従業員は継続して雇用される見込み。橘HDの経営陣は1日付で退陣した。

 ボンベルタ橘は1952年に前身の旧橘百貨店が創業した。現在の施設は鉄筋コンクリート地下1階地上8階建ての東館、地下1階地上一部11階建ての西館から成り、売り場面積が約2万平方メートル。

 4月以降、営業を続けながら改修工事を進め、東西両館の地下1階と地上1階にドン・キホーテが核店舗として入る方向で、施設全体が複合商業ビルとして再生を目指す。これにより、宮崎県内から地元資本の百貨店が消える。

 ボンベルタ橘は長く、宮崎市の中心的な繁華街である橘通りの核店舗として営業してきた。ピーク時には100億円を超す年間売り上げがあったが、地域の人口減少やイオンモールなど郊外型大型店の攻勢、インターネット通販の普及の前に近年は30~40億円台で推移し、赤字経営に陥っていた。

 JR九州と宮崎交通が近隣で大型商業施設の建設を予定していることもあり、経営不振の店舗再生で実績を持つPPIHの傘下に入ることを決めたとみられている。PPIHは「グループが持つリソースやノウハウを最大限活用し、地域の活性化に寄与したい」としている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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