【どう見るこの相場】米市場追随の個別物色相場なら業績再上方修正の催促銘柄を要マーク

2020年1月20日 10:16

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■好業績株をどうスクリーニングするか?

 米国市場は、まさに「鉄の胃袋」である。どんなリスクでもイベントでも、大きな口で呑み込み噛み砕き、咀嚼してたちまちのうちに消化してしまうからだ。イランの革命防衛隊司令官を殺害して中東の地政学リスクが高まろうが、第1段階の合意文書に署名したものの、第2段階以降の合意形成が不透明化するとして米中貿易協議が警戒されようと、寄って集って甲論乙駁して消化、主要3株価指数は、揃って最高値を更新してしまった。しかもこの消化時間は、わずか1日しか要さない。そのダイナミズムには、羨望を通り越して驚嘆するばかりである。週明け21日から実質審議入りする議会上院でのトランプ大統領に対する弾劾裁判も、トランプ大統領が正面突破に成功しようと、罷免されようと、「鉄の胃袋」の面目躍如となり単なるイベント通過として記憶に残るばかりになるかもしれない。

 翻って東京市場はどうか?「平成不況」由来の胃弱が続き、咀嚼はしても行きつ戻りつ反芻はするばかりで消化に手間取り、消化不良症状が長引いているようにみえる。国内景気には、消費税増税と多発した自然災害の影響が残り、企業業績も、全般的には減益観測が多いだけに致し方ない面はある。なかでも国内政局は、きょう20日に召集される通常国会が、ややマーケットに荷もたれになることが懸念されている。最大の眼目は、補正予算案と新年度予算案の早期成立だが、その前に「桜を見る会」やIR(統合型リゾート)を巡る贈収賄事件、中東への海上自衛隊派遣などのネックが控えている。なかでもIRは、「アベノミクス」の成長戦略の柱の一つで、もう一つの柱の教育改革でも、大学入学共通テストでの英語民間試験導入などを中止した経緯もあり、これまで通りに「安倍一強政治」で正面突破できるのか波乱含みで、まさに消化不良に悩まされることも懸念されている。

 そんな両市場のギャップからも、週明けの東京市場は、3連休明け後の米国市場に追随しつつ、「木を見て森を見ない」個別銘柄物色を強めると想定させる。当然、この追随相場は、折から始まった決算発表で好決算銘柄を買う業績相場となりそうだ。米国市場でも、好業績銘柄が全般相場をリードしているが、東京市場でも、今週から2月期決算会社や3月期決算会社の第3四半期業績が相次いで発表されてくる。これを先取りしてターゲットを好業績銘柄に絞り込めば、好パフォーマンスが期待できるはずだ。となると問題は、この好業績株をどうスクリーニングするかになる。

 そこで注目したいのが、業績の再上方修正の催促銘柄である。そんな銘柄が、どこに転がっているのかと思われるかもしれない。しかし当コラムでは、昨年来、今期業績を上方修正して、新年相場に入って昨年来高値を更新した銘柄は、業績の再上方修正を期待して上値を買っているもので、マーケットが業績の再上方修正を催促している銘柄とみなすこととした。もちろん、昨年来高値を更新中ということは業績の上方修正発表とともに好材料出尽くしとなるケースも想定される。そのためにも、市場平均より割安な銘柄に限定して、この1月末から2月初めの決算発表をマークしたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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