米国雇用統計:10月の振り返りと11月のポイント「米国経済の先行きを占ううえで注目」 住信SBIネット銀行(三井智映子)

2019年12月5日 16:42

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記事提供元:フィスコ


*16:42JST 米国雇用統計:10月の振り返りと11月のポイント「米国経済の先行きを占ううえで注目」 住信SBIネット銀行(三井智映子)
こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。12月6日発表の米雇用統計に向けてレポートをご紹介します。その前に前回の10月雇用統計を振り返ってみましょう。

まず非農業部門就業者数は、市場予想9.0万人増を上回る12.8万人増となり、8月分が16.8万人増から21.9万人増へ、9月分が13.6万人増から18.0万人増へ上方修正されました。失業率は市場予想と同じ3.6%でした。時間給賃金は前月比が市場予想+0.3%に対して+0.2%と若干下回る結果となったものの、前年比は市場予想と同じ+3.0%となりました。

10月雇用統計については、『直近3ヵ月の月平均就業者数が17.6万人増』となるなど、『堅調な米労働市場を確認』できる結果となりました。これは、『12月FOMCの追加利下げ観測が後退』している状況下において、『FOMCでの利下げ休止を正当化』する内容であったといえるでしょう。

11月の雇用統計は非農業部門就業者数18.8万人増、失業率3.6%、時間給賃金は前月比+0.3%、前年比+3.0%が予想されていますが、いったいどのような内容になるのでしょうか。

レポートでは11月の雇用統計について、就業者数は『直近3ヵ月の平均である17.56万人増を上回る18.8万人増』、失業率は『今年9月に1969年12月以来の低い失業率となる3.5%を記録、10月も3.6%と低水準を維持しており、11月の市場予想も3.6%』、時間給賃金については『10月まで15ヵ月連続で前年同月比3.0%を上回る水準を継続しており、11月も引き続きこうした堅調な労働市場が継続すると見られています』との予想を伝えています。

一方で『製造業の空洞化が進んでいる中西部や南部では平均よりも高い失業率が続いています』とも伝えています。先月ストライキが行われたゼネラル・モーターズの影響で『ミシガン州の失業率は全体(3.6%)を上回る4.1%を記録』したほか、『2022年6月に石炭火力発電所の閉鎖が決まっているほか、エネルギー関連企業の経営破綻の影響などからオハイオ州でも失業率が4.2%と高い失業率となりました』と比較的厳しい状況にある地域についても紹介しています。

そのうえで、『今回は前月ゼネラル・モーターズのストライキ収束もあり、就業者数改善に寄与すると予想されています』と伝えており、10月の住宅関連指標の好調さが『建設業での就業者増に寄与していると思われます』と考察しています。

さらに、最近の堅調な米国経済が労働市場の活況化へつながっていると考えられますが、『おそらく2019年の米成長率は+1.8%~+1.9%、来年は+1.8%と今年から若干減速すると見られているものの、米中通商交渉の進展による企業の設備投資への意欲が一段と回復するか注目されます』と伝えています。

また、『史上最高値を更新しているNY株式市場が堅調を維持するのか、低成長・低インフレの適温経済が持続するのか』など、米国経済のゆくえを占う上でも米11月雇用統計は注目となりそうです。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子《CN》

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