NYの視点:米中通商協議における第1段階の合意署名は越年の可能性も

2019年11月25日 07:31

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記事提供元:フィスコ


*07:31JST NYの視点:米中通商協議における第1段階の合意署名は越年の可能性も
報道によると、中国の習近平国家主席は22日、「相互尊重と平等の原則に基づき、米国と第1段階の通商合意をまとめたい」、「必要なら反撃するが、貿易戦争を起こさないよう積極的に取り組んでいる。中国が貿易戦争を始めたのではなく、これはわれわれが望むものではない」と語ったそうだ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、中国政府は米政府に新たな対面通商協議を提案したもようだが、市場関係者の間では「提案は通商協議のすみやかな進展を望む習近平国家主席の強い意向を受けたものである可能性が高い」との見方が出ている。

トランプ米大統領は22日、「米中通商交渉は非常に順調に進んでいるが、最終的な取りまとめを望むかどうかはまだ判断していない」との見方を伝えているが、一部の市場関係者は「米中通商協議の第1段階の年内合意は難しい」と指摘し、「議会で可決された香港人権・民主主義法案がトランプ大統領の署名によって正式に成立した場合、米中通商協議の行方は一段と不透明になる」と警戒している。

22日のニューヨーク外為市場では、米国の11月PMI速報値の予想を上回る上昇や11月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値の上方修正を好感して、ドル買いが優勢になったが、米中通商協議のさらなる進展への期待が持続していることもドル相場に対する支援材料となったようだ。しかしながら、今月中に新たな進展がみられない場合、第一段階の合意署名は越年する可能性が高いとの声が聞かれている。《CS》

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