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京大とトヨタ、不連続変化の高速アルゴリズムに成功 ロボットや自動運転に適用
京大とトヨタが不連続な変化を伴う実時間最適制御の高速アルゴリズムの開発に成功。自動運転や電力システムなど幅広い応用可能な離散事象を伴う制御対象にモデル予測制御の開発に成功。[写真拡大]
新興国の台頭によって世界一位と言われていた日本のテクノロジーも相対的に順位を低下させている。しかしながらロボットの分野に関しては未だ日本は他国の追随を許さない。ロボットはAIによってその動作が制御される。AIとはシミュレーションであり過去の経験から法則性を生み出し自律的に自己を制御するシステムだ。一般にそれは連続的な制約条件の下で稼働するものであるが、
しかし現実の世界では突如として制約条件の変化が起こることがしばしば起こる。従ってAIによる離散的な(非連続的な)統制を行うことはより精緻な作業を行う上で重要なことになる。離散的処理を行うということは複数の構造的モデルが必要となり、一般にそれは制御時間が長くなってしまう。そこで処理時間を短縮するアルゴリズムが必要となる。
12日、京大とトヨタが共同で「不連続な変化を伴う実時間最適制御の高速アルゴリズムの開発に成功」したことを公表した。京都大学大学院情報学研究科の大塚敏之教授および大学院生の片山想太郎氏はトヨタ自動車のグループと共同で、離散事象を含む最適な予測動作全体の計算と予測した離散事象の系列の変化に応じた部分的な動作の修正を組み合わせることで効率的なアルゴリズム計算を行うことに成功した。
ここで提案したアルゴリズムでは、初期状態が少しずつ変化するとき予測した離散事象の組み合わせと最適な動作も少しずつ変化していくことに着目し、最適な予測動作と離散事象の起こる時刻をその時間変化を追跡することで効率的に計算する。
これにより、離散事象を伴う制御対象にモデル予測制御を適用することが可能になり、ロボットや化学プロセスなど、身の回りの様々な離散事象を含む制御システムの性能を限界まで引き出すことが可能になるという。特に地面や壁、モノと触れ合うようなロボットの知能や運動性能を高めることに大きな期待ができ、今後の予定としては実際の歩行ロボットへの適用が想定される。
研究グループは「私たちの研究している方法は社会の様々な制御システムの高性能化へ繋がる。さらに、近年特に大きな発展を遂げている自動車やロボットの知能化に応用されることも期待されている」とコメントしている。本研究は11月5日に国際学術誌 International Journal of Robust and Nonlinear Control」のオンライン版に掲載された。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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