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マツダ3はCX-30より魅力的か? SKYACTIV-Xエンジンの商品力を紐解く(2/2)
「MAZDA3」ファストバック(画像: マツダの発表資料より)[写真拡大]
しかし、マツダ3はスペシャルティーカーの分野を狙っているとはいえ、かなり実用的なクルマだ。デザインは多少個性が強い。まず、プロポーションは直列6気筒エンジンを積むFRの車体に見えるが、FFだ。このエクステリアを好む人もいると思われるのだが、パッケージングに優れた一般的なものではない。それならCX-30のほうが一般的であり、実用的だ。巷では、デザインの好みでもSUVが流行りであろう。
【前回は】マツダ3はCX-30より魅力的か? SKYACTIV-Xエンジンの商品力を紐解く(1/2)
マツダの経営状態と言えば、利益率は散々だ。利益率は3%を切り、存続の危機と言ってもよい。しかし、マツダは長期計画に則り、現在は我慢の時と考えているようだ。そして、プレミアム自動車メーカーとなるために、販売奨励金をあまり出さないようにする改革を進めている。
ドイツの下位メーカーのようにブランド力で販売していけるようにしたいのだ。ポルシェとはいかなくとも、BMWやベンツのように特徴のあるクルマを目指して、簡単に言えば「安売り」したくないのだ。そのため、現在販売店整理を大きくしており、値引きしない販売店を選んでいるため、店数も減り、販売台数も減っている。
これが、180万台ほどの販売台数のマツダが生き残る戦略であり、トヨタグループに参加して技術開発費の削減をしても、独特のクルマを作り存在感を示すためである。
一方、ユーザーとしてマツダ3を購入するには、スペシャルティーな魅力に取りつかれなければならない。まずは、デザインに惚れ込む必要がある。そして、エンジンやサスペンションセッティングなどはそこそこの仕上がりで、出来ることなら特別な乗り心地とハンドリングを示していることを理解できるユーザーが必要なのだ。
実際のところ、技術的には「ハイテク満載」と見えるのだが、それは流行りのIT化などとは違い、ボディ構造の革新など極めて地味なハイテクで商品力が高いとは見えないのだ。
しかし、マツダがこうした基礎となる技術を開発して、「一味違う」乗り心地をユーザーが体感できるようだと、プレミアムカーの評価が市場に出来上がるのであろう。
それまで販売で苦労するのだろうが、そこは「スバルのラブ・キャンペーン」組織を研究してもらいたい。「スバリスト」と言われるファンを作り、その力を借りて販売、メンテナンスなどを行う手法だ。これを日本国内で実施できれば、縮小する自動車市場そのものの拡大につながるのだ。
自動車営業においては、いつまでも「一本釣り商法」をやっていると、将来に渡って市場を縮小させてしまうことを知るべきだ。マーケティングの専門家に特に注意したいのだが、実った果実を刈り取るだけでは畑が枯れてしまうように、購買意欲が盛んな人を釣り上げるだけの商法をしていると、市場全体が枯れてしまうのだ。そもそも、営業マンが商品であるクルマをよく知らないことは、お客様にも車そのものに関心を持ってもらえないと自覚することだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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