セントラルドグマは必然、東大の研究者らが実証

2019年10月4日 18:47

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記事提供元:スラド

 Anonymous Coward曰く、

 地球上に存在するすべての生命は、DNAがmRNAに転写され、このmRNAが細胞を構成するタンパク質を作るという構造を持っている。これをセントラルドグマと呼ぶ。このような仕組みになっているのには必然性があるということを発見したと東京大学の研究者らが発表したProceedings of the Royal Society B掲載論文)。

 DNAからRNAへの転写や、RNAからのタンパク質の合成には、それぞれ酵素となるタンパク質が関与している。これらタンパク質も細胞によって合成されるわけだが、一方でRNAが最終的に生成するものもタンパク質だ。このように細胞を構成するタンパク質は、次世代に情報を伝えるものと、それ以外の触媒となるものに分化している。今回発表された論文では、この「情報と機能の分業」がなぜ発生するのかを説明している。

 具体的には、タンパク質の複製には触媒が必要で、触媒は他のタンパク質を複製させている間は自身を複製できない。そのため、触媒となるタンパク質と、複製される側になるタンパク質に機能が分かれることになるという。

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