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食品にも含まれるペプチドがうつを改善 神大などの研究
ミクログリア活性化とうつ様行動におけるLHジペプチドの抑制効果。(画像:神戸大学発表資料より)[写真拡大]
神戸大学などの研究チームが、うつ様行動を改善する作用のあるペプチドを発見した。このペプチド、Leucine-Histidine(LH)ジペプチドは、さまざまな発酵食品などに含まれているものなのだが、脳内炎症を抑制して抑うつを改善するという。
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研究に携わったのは、神戸大学大学院医学研究科の古屋敷智之教授と北岡志保講師、キリンホールディングスの阿野泰久研究員らの共同研究グループ。
抑うつは社会を蝕む深刻な病弊であり、その対策が重要であることは言を待たない。近年の研究では、うつ病患者の脳内で炎症担当細胞ミクログリアが活性化しているなど、うつ病と炎症の関係について報告するものが数多く上がっている。あるいは脳内炎症の抑制は、うつ病の改善や予防に繋がるかもしれないが、それに関する研究はまだ十分ではない。
研究グループは、これまでペプチドの生理作用についてさまざまな機能を解明してきたが、今回もペプチドに着目し、ジペプチドライブラリーを用い、ミクログリアの活性化を抑制する成分の探索を行った。
そして336種類のジペプチドの中から発見されたのが、LHジペプチドである。このペプチドには、炎症性サイトカインの産出を抑制する働きがあるということも分かった。
また、放射性同位体を標識としたLHジペプチドを用い、経口投与されたLHジペプチドが脳に到達することが確認された。さらに、うつ病の動物モデルを使った実験においても、LHジペプチドの経口投与がうつ様行動を抑制することが実証されたという。
LHジペプチドは、納豆、酒粕、青カビチーズなど特定の発酵食品が多く含んでいるということが確認されている。今後の方針としては、発酵食品の摂取と気分状態に関する調査研究を行ったり、LHジペプチドを高含有する食品を用いてヒトで効果検証を行うなど、日常生活を通じたうつ病予防の方法を開発したいという。
なお、研究の詳細は、学術雑誌「Nutrients」にオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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