アキコアオキ、2020年春夏 現代のユニフォームに東洋の風を吹き込んで

2019年9月3日 21:56

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記事提供元:ファッションプレス

 アキコアオキ(AKIKOAOKI)の2020年春夏コレクションが、2019年8月30日(金)に発表された。テーマは、ギリシャ語で“1つ”を意味する「monos」。

■現代のユニフォーム×東洋の民族衣装

 今シーズン、デザイナーの青木明子が取り組んだのは、以前から服作りのベースとしていた“ユニフォーム”に、東洋の民族衣装の要素を加えるというアプローチ。現代社会を生きる人々ならば誰でもそのシルエットが思い浮かぶテーラードジャケットやYシャツといった“ユニフォーム”を、それとはかけ離れた存在である東洋の民族衣装と掛け合わせることにより再構築した。

■一枚の布から生み出されるシルエットを意識

 コレクションのベースとなったのは、グレンチェックのテーラードジャケットや、ピンストライプのシャツなどマスキュリンな“ユニフォーム”たち。そこに、東洋の民族衣装から着想を得て、一枚の正方形の布から生み出されるドレープやボリューム感を意識したディテールを落とし込み、フェミニンなピースに仕上げている。

 例えばブラックのシャツは、歩くたびに空気を含み、裾が美しく揺れ動くドレスに姿を変えている。グレンチェックのテーラードジャケットも、ボリューミーなドレープを取り入れたオールインワンに再構築された。青木が今まで意識してきた西洋の構築的な服作りから脱却し、一枚の布を身体に巻き付けて服を創り出すような東洋的なアプローチを試みたという。

■男性的な“ユニフォーム”にフェミニティをプラス

 また、下半身に布をたっぷりと使いつつも、胸元やサイド、バックスタイルを大きく開けて肌を露出させることで、フェミニティをプラス。ウエストにリボンやテープを結んだり、コルセット風のベルトを配したりと、青木が得意とするディテールを取り入れることで、男性的な“ユニフォーム”を女性的なシルエットへと昇華する手法も見て取れた。

■フューチャーリスティックな演出

 披露の舞台となったのは、宇宙を意識したフューチャーリスティックな空間。強いライトが差し込む真っ白なフロアに、火星にあるとされる謎の建造物「モノリス」をイメージしたという鏡面を配した柱状のモニュメントが立ち並んでいた。またRMK(アールエムケー)とのコラボレーションによるメイクアップも、シルバーのアイシャドウやブルーのアイラインを駆使した未来的な仕上がり。フューチャーリスティックな演出で、⼟着的な印象のある民族衣装をコンセプトとしたコレクションピースを引き立たせた。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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