クロス円の下落基調、米長期金利の低下が続くのか注視 住信SBIネット銀行(三井智映子)

2019年8月7日 10:11

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記事提供元:フィスコ


*10:11JST クロス円の下落基調、米長期金利の低下が続くのか注視 住信SBIネット銀行(三井智映子)
皆さん、こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子です。まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。

7月30-31日のFOMCでは、政策金利を大方の市場予想通り従来から0.25ポイント引き下げ、約10年ぶりの利下げとなりました。ただ、パウエルFRB議長が「今回の利下げは長期にわたる金融緩和サイクルの開始を示したもので一時的な調整」と発言したことから、9月以降の追加緩和への期待が後退し、米市場は大きく下落しました。

さらにトランプ米大統領が8月1日に、中国からの輸入品3000億ドル分に追加関税を課す制裁措置「第4弾」を9月1日付で発動するとツイッターで表明し、米中貿易摩擦懸念が嫌気されたことから世界的に株価が下落しました。リスクオフの流れから為替市場では円買いが優勢となり、VIX指数も上昇しています。ちなみに2日発表の米7月雇用統計は堅調な内容となりました。

さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。

まずレポートでは利下げ決定後のパウエルFRB議長発言について、『長期利下げサイクルの始まりではない点に触れた発言を受け、年末までの追加利下げ確率がFOMC前の87%から60%へ低下』したと分析する一方で、『米国の対中制裁関税に対し、中国も報復措置を検討するなど米中間の対立懸念を背景に金利先物から見た9月FOMCの0.25%利下げ確率は96%へ再度上昇』とも伝えています。

対中制裁措置「第4弾」計画の発表により、足元は米中通商問題激化への懸念で大きく相場が動いており、『米中通商問題がFRBの金融政策の先行きの大きな決定要因』といえそうです。2日に公表された米7月雇用統計結果への反応が限られたことを考えれば、『今週5日の米7月ISM非製造業景況指数をはじめとする米国の経済指標への反応は限定的となりそうです』とレポートでは考察しています。

『米長期金利は、経済指標や対中貿易問題の先行きへの懸念を背景に下振れの状況』であるなか、『米中通商問題を巡る米中両国の要人発言のほか、上海株やNY株式市場の強弱に対する米債券市場の反応がドル/円の先行きを占う上で注目されます』と伝えています。

さらに、米中通商問題が『先々の中国経済および世界経済の減速リスクをどの程度見込むのか、リスク回避の動きをどの程度高めるのか、今週の動向に大きな影響を及ぼしそうです』と考察しています。

米中通商問題リスクの影響としては、『中国との貿易に結び付きの強い豪ドルや南アランドの軟調地合いが継続するか注目』としています。豪ドルについては、『6日の豪中銀政策委員会での利下げの有無、および年内追加利下げ時期を巡る声明文の内容に加え、9日に発表される豪中銀四半期金融政策報告も豪ドルの動向に大きく影響を及ぼすと思われます』と分析しており、『今週一段と下落基調を強めるのか』注目しています。8日の中国7月貿易収支の発表にも注目ですね。

欧州経済については、先週発表のあったユーロ圏4-6月期GDPやユーロ圏7月製造業PMIが低調となっています。レポートでは『来週14日発表のドイツ4-6月期GDPを控え、欧州経済の減速懸念を背景に9月12日のECB理事会での緩和観測がユーロの上値を抑制すると思われます』と考察しています。ユーロ安基調が継続するか注目したいところですね。

参考にしてみてください。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子《CN》

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