NYの視点:FOMCの利下げ織り込むも、一部では必要ないとの意見が半数=Fed調査

2019年7月31日 07:37

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記事提供元:フィスコ


*07:37JST NYの視点:FOMCの利下げ織り込むも、一部では必要ないとの意見が半数=Fed調査
米連邦準備制度理事会(FRB)は30日から31日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催している。FRBがこの会合で25ベーシスポイントの利下げを実施することはほぼ確実視されている。

FOMCを控えて経済専門局CNBCがマネーマネジャー、ヘッジファンドマネジャー、アナリストを対象に実施した調査で、回答した41人のうち98%が今回のFOMCでFRBが利下げを実施すると見ていることが明らかになった。そのうち95%が25ベーシスポイントの利下げを予想。また、平均で年2回の利下げを予想している。

ただ、「利下げが必要かどうか」の質問では意見が分かれた。回答者の半数は「利下げは必要ない」と見ていることも明らかになった。利下げ反対派は、「利下げの論拠は明らかではなく、経済は弱くなく、金利もも比較的低水準にあり景気を支援する」と主張。一方で、利下げ賛成派は「潜在的な将来の問題に早めに対処する保険としての利下げは短期的に適切だ」と主張している。実際、平均の国内総生産(GDP)見通しは、2019年が+2.3%、2020年が+2.1%と、2018年の実質+2.5%から成長は減速するもののリセッション入りは予想されていない。

リセッションの先行指数のひとつとして、「消費者信頼感指数が15%低下する」が挙げられているが、本日コンファレンスボードが発表した7月の消費者信頼感指数は135.7と、予想以上に6月から改善し、昨年11月来で最高となった。現況指数は170.9と、2月来で最高。期待指数は112.2と、昨年11月来で最高となり、10−12月期のGDPの成長を押し上げる可能性も示唆された。

FRBが利下げに踏み切るとしたら、保険的なものにとどまると見られ、トランプ大統領が望むような大幅な利下げは期待できない。

●FED調査(CNBC)

◇7月FOMC予想
98%:利下げ実施
95%:25ベーシスポイントの利下げ
平均:本年2回の利下げ

◇利下げをすべきかどうか
50ベーシスポイント:13%、25ベーシスポイント:37%、必要ない:48%

◇利下げの理由
低いインフレ:34%
世界経済の弱さ:30%
イールドカーブ:21%

◇2019年末のFF見通し
1.93%(2018/ 7/31時点: 2.93%、2018/11/7時点: 3.04%)

◇米10年債利回り
2019年:2.21%
2020年:2.41%

◇国内総生産(GDP)
2019年:+2.3%、2020年:+2.1%
(2018年実質+2.5%)

◇S$P見通し
2019年末3059(6月2881)《CS》

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