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1967年に発売されたマツダの初代ロータリーエンジン車「コスモスポーツ」(画像: マツダの発表資料より)[写真拡大]
マツダのロータリーエンジン搭載車のうわさは絶えない。ロータリーエンジンのそれほどの魅力はどこにあるのだろうか?逆に弱点は、現代の自動車に最も望まれる「燃費」の低さにある。もしも石油ショックがなく、地球温暖化の懸念がなければ、ロータリーエンジンは世界の主流となっていたはずだ。また、ロータリーエンジン特有のガスシールの問題を解決できるのか?が現在でも鬼門なのだ。
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マツダロータリー車は、登場当時、私の中では「悪役」だった。その頃、コスモロータリー、ファミリアロータリー、そしてサバンナロータリーと開発が進み、モータースポーツでは日産・R380 のGR8型エンジンをディチューンした、S20型エンジンを積んだ初代スカイライン2000GT-Rを追い詰めていった。
初代GT-Rのツーリングカーレース50連勝の記録も、最終レースは辛くもロータリー勢に勝ったといってよい状態で、続く2代目、通称「ケン・メリGT-R」のレース参戦を阻んでしまった。つまりGT-Rは、ロータリー車に対して「勝ち目なし」と見て参戦しなかったのだ。
当時の日産・スカイラインの人気は、CMの「キャッチコピー」がヒットの要因であったかもしれない。「愛のスカイライン」でデビューした初代GT-R、「ケンとメリーのスカイライン」ではキャッチコピーを具体的に展開してイメージを作り上げていった。だからレース場では、人気の「愛のスカイライン」を脅かすロータリー勢は「悪役」と若い人に感じられたのだ。
当時、親交があった著名な宣伝マンは、「もし依頼が日産・サニーだったら、彼はやらなかっただろう」と、あのキャッチコピーを考えた人物を評して語っていた。つまり、「スカイラインの潜在する商品力」を見抜いた才能をほめていたのだ。
しかし、そのロータリー勢やGT-Rも、排気ガス規制・燃費規制が進む中で活動休止を余儀なくされた。復活したものの、ロータリーは再び開発に専念せざるを得ない状態だった。
現在、それでもマツダはロータリーエンジンを諦めたわけでなく、開発は続けられているようだが、まずはマツダ3から始まる「SKYACTIV-Xエンジン」の発売に集中しなければならない。また、ロータリーエンジンとしても、レンジエクステンダーの発電専用エンジンとして復活させるのが優先のようだ。この方がエンジンの効率の良い回転数領域で運転できるため、弱点である燃費問題を解決しやすいのであろう。
しかし、RX-8の後継車RX-9の発売こそ、ロータリーエンジンの復活として迎えられるものであることは、マツダも十分承知しているものと見られる。エンジン開発の段階は特許内容の公開で見ることが出来る。排気ガスターボ発電でのHVの試みや、現在マツダ3で取り入れられようとしている24V電源によるマイルドHVを進め、ベンツなどドイツ勢が進める48V電源でのマイルド HVによる燃費向上も試みられているようだ。
マツダはシャーシ開発も進めているようで、現在マツダが世界的に進めているプラットフォームの共通化とは別に、ロータリーエンジン車専用のプラットフォームを開発しているようだ。こうした現実の動きの中で、マツダのイメージづくりに貢献しているのがRX-9の現状と見られる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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