後付けできる、アクセル踏み間違い防止装置 トヨタが対象車種を拡大

2019年6月4日 17:08

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超音波センサー(前方)(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

超音波センサー(前方)(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

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 トヨタ自動車は「踏み間違い事故対策」に、かなり熱心だ。高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違い事故が社会問題となる中、自動車各社は新車に搭載する装置開発には熱心だが、「後付け装置」にあまり乗り出していない。

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 トヨタは5月29日、現在市中に乗り出している既販車に後付けできる「踏み間違い加速抑制システム」の対象車種を、年内に12車種まで拡大すると発表した。これは、ユーザーとして歓迎すべき施策と言える。日頃、「ヨイショ記事」が多い自動車メディア各社は、こうした時にこそ、これを紹介し普及させることに協力すべきだ。

 装置として詳細に検証すれば、まだまだ問題もあろう。だがトヨタ以外の自動車各社も、こうした後付け装置を普及させる流れに巻き込むことを、メディア各社は補完すべき時だ。社会正義のある報道行為であろう。高齢者に限らず、ブレーキとアクセルの踏み間違いは起きており、全車に標準装備とすべき装置だ。

 トヨタのブレーキとアクセルの踏み間違い防止装置は、「プリウス」「アクア」を対象として2018年12月に始まった。その後2019年3月に、「プリウスα」「プレミオ」「アリオン」が対象車に加わっている。そして6月3日には、「ポルテ」「スペイド」「ウィッシュ」にも拡大。さらに、「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」「パッソ」は10月に、「ヴィッツ」は12月になるようだ。

 この装置は、超音波センサーで障害物を検知するもので、この方式はほぼ目視に近い能力を持つ。つまり、夜間はライトが付いた状態と見れば問題ないが、豪雨などの時は「見えない」かもしれないのだ。しかし探知距離は3mと短くて良いのであり、簡単な装置であっても、絶対に起こしてはならない「もしもの誤り」を訂正してくれる。

 3m先の障害物を検知するとブザーが鳴り、それでもブレーキとアクセルを間違えて踏み込んだ場合、加速を抑えブレーキをかけるようだ。それで止まれるとは限らないが、被害を軽減し、気が付いてアクセルから足を離すチャンスを貰えることになる。さらにバックでは、約5km/h以上でアクセルを踏むと加速を抑えるようだ。障害物を検知していない場合でもスピードを制御するようで、バックでのスピードは5km/hに制限することとなる。

 トヨタの「後付けの安全装置」の価格は、取り付け費などは含まず5万5,080円(消費税込み、ポルテ・スペイド・ウィッシュ用)となる。これを「安い」と感じることが、社会人として正解だろう。また他のメーカーの車種にも取り付けられる装置が欲しい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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