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ジャガー・I-PACE「欧州カーオブザイヤー」に続き「ワールドカーオブザイヤー」
「2019ワールドカーオブザイヤー」を獲得したI-PACE。(画像: ジャガー・ランドローバーの発表資料より)[写真拡大]
本格的BEV(Battery Electric Vehicle)、すなわち日産・リーフやテスラのように「純粋電気自動車」の時代到来を告げるジャガー・I-PACEの登場である。2019年4月17日、ニューヨークモーターショー2019において、「2019ワールドカーオブザイヤー」が発表された。受賞したのは前評判の高かったジャガー・I-PACEであった。
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ジャガー・I-PACEは「自社製永久磁石同期式電気モーター」を搭載しており、それは希少メタルを用いている方式だ。効率は良いのだが、貿易戦争の現在、希少メタルを使用することは中国の動向に左右される危険がある。またエアサスペンション付だが、車重が2250kg(前1190kg/後1060kg)もあり、床下に敷き詰められたバッテリーの重量過多は現状では致し方がないようだ。
しかし、90kWhリチウムイオンバッテリーを床下に敷き詰めたおかげで、航続距離は438km(WLTCモード)を確保している。最高出力294kW(400ps)・最大トルク696Nm、0-100km/h=4.8秒でスポーツセダンの性能も示す。おそらくは、低速からの立ち上がりは強烈であるだろう。問題は、重い車重による操縦性の特性だ。
ジャガー・I-PACEの評判の良さは、BEVであることだけではない。スタイリングが高い評価を得ている。クロスオーバーSUVと見ておくと良いのであろう。これまでのジャガーの伝統とは違うが、新鮮な思いを人々に与えている。
伝統的ジャガーを所有し、こよなくセダンを愛してきた者としては、当初受け入れがたい感覚であった。それはまず、ショートノーズであったことだ。ジャガーの伝統的セダンは、フロントノーズが6気筒あるいは12気筒エンジン搭載のため、オーバーハングが長いのが特徴だったからだ。
またジャガーのセダンは全高が低く、乗り込む際は座り込む感がしていた。日本人の高齢者の背丈でも、ルーフ(屋根)の中央まで簡単に手が届く高さだった。リアオーバーハングも長いためトランクは長大で、高さはないがゴルフバッグを楽に積み込めていた。
しかしI-PACEは「ずんぐりむっくり」で、ジャガーの伝統的高性能で「ワイドロー」の姿勢とは相いれないものだった。しかし見慣れてくると、「バランスの取れた太っちょ!」とでもいうのか、そのプロポーションを受け入れている自分に気が付いた。
ジャガー・I-PACEは、バッテリーの性能がもう少し上がれば、BEVの時代が確実にやってくると思わせてくれる一台である。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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