若者層、3割が「自殺願望」 1割に「自殺未遂」 原因トップは「いじめ」

2019年4月7日 18:18

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記事提供元:エコノミックニュース

日本財団が若者の自殺に関する意識調査を実施。18歳~22歳で「本気で自殺を考えた」経験は30%。「自殺未遂を経験」11%。自殺念慮の原因は「いじめ」、「家庭不和」、「精神疾患」など。

日本財団が若者の自殺に関する意識調査を実施。18歳~22歳で「本気で自殺を考えた」経験は30%。「自殺未遂を経験」11%。自殺念慮の原因は「いじめ」、「家庭不和」、「精神疾患」など。[写真拡大]

 日本は自殺大国として有名だ。自殺の統計を見ると自殺者の多くは中高年で、その理由は経済的理由、健康上の理由が大半だ。若者の自殺は絶対数としては少ない。しかし、自殺は若者の死亡原因のトップである。

 若者の自殺者の数は少ないものの1990年代以降、若者の自殺率は上昇傾向にある。この背景には何があるのであろうか。近年、若者のいじめを原因とした自殺の報道が後を絶たない。若者の自殺率増加の要因としていじめの問題が注目をあびているのは確かだ。それでは現代の若者の自殺に対する意識はどうなっているであろうか。いじめの影響はあるのだろうか。

 日本財団が2016年から大規模な自殺意識調査を行っている。この調査の一環として18~22歳の男女3126人を対象に、若年層に絞った補充調査を2018年11~12月にかけて実施し、19日にその報告書を公表している。

 報告書によれば、「本気で自殺したいと考えたことがある」と答えた若者の割合は全体で30%となり、男女別に見ると男性が26%、女性が34%となっている。男女ともに約3割の若者が自殺念慮を持っているという結果になった。また、「自殺未遂の経験がある」と答えた者は全体平均で11%、男女別には男性が9%、女性が13%となっている。

 それでは、「本気で自殺したいと考えた」者は具体的にどのような原因で自殺念慮を持ったのであろうか。これに対する回答は「学校問題」が48%と約半数で最も多く、そのうち約半数の49%が学校での「いじめ」を原因として挙げている。つまり、自殺念慮を持った若者の4分の1が「いじめ」が原因で自殺を考えるところまで追い詰められていることになる。

 この他の原因として多いものは家庭不和などの「家庭問題」、失恋などの「男女問題」となっており、さらに原因は複合している部分もある。複数の原因を挙げている者の「いじめ」と他の原因との複合率を分析した結果では、「いじめ」に関しては他の原因との複合率よりも「いじめ」を単体として原因として挙げている割合が高く22%となっている。

 報告書では「『いじめ』はそれ単体で自殺念慮・未遂に 大きな影響を与えていると言える」としている。「いじめ」は昔からあったなどと言われるが現代の「いじめ問題」は従来のものとは異質なようだ。(編集担当:久保田雄城)

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