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アキラナカ、2019年秋冬コレクション発表 日本建築に見る"曖昧な境界"
アキラナカ(AKIRANAKA)の2019年秋冬コレクションが発表された。テーマは「曖昧な境界 内容の不在」。
■日本家屋の"曖昧な境界"に着目
今シーズンのインスピレーション源となったのは、美しい日本建築。建築に見られる独創的な日本の美意識を再考し、クリエーションに落とし込んでいく。
日本建築を再考する中で、特にデザイナー・中章の心に留まったのが、日本家屋の居間から縁側、縁側から軒下、軒下から庭...という"曖昧な境界"。この概念は、秋冬シーズンの主役であるアウターを筆頭に、テクスチャーや、レイヤードのディテールなどで表現された。
チェック柄のロングコートには、縫い目が曖昧になる起毛したテキスタイルを採用。チェック柄を構成するブルーとブラウンもその境目はぼやけていて、美しいグラデーションをなしている。ベージュのテーラードジャケットは、オーガンザを重ねることで、内包する生地の質感やボタンなどのディテールを曖昧なものにした。
■"構築性"はスタイリングで表現
昨シーズンに引き続き、アキラナカが得意とする構築的なカットをあえて控えめにし、ブランドとしての新しいフェミニティを探求している点も注目に値する。構築性をカッティングではなく、スタイリングで表現し、エッジィなムードは残しつつもシリアスさを抜き去った女性らしいルックを完成させた。
たとえば滑らかなレザーで仕立てたドレスにはロングパンツをレイヤード。ボリューミーなキルティングジャケットにはスーパーワイドパンツを組み合わせている。いずれのアイテムも身体を型にはめ込むような特異なフォルムでは無いし、かといってボディラインを強調するようなシルエットでも無い。だがそれらのアイテムを絶妙に掛け合わせると、日本建築を思わせる凛とした佇まいと、柔らかな女性らしさ、そのどちらもが共存するのだ。
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