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日立、iPS細胞を大量自動培養できる装置を製品化 国内初
日立が商品化したiPS細胞大量自動培養装置「iACE2」。(写真:日立製作所の発表資料より)[写真拡大]
日立製作所(東京都千代田区)は11日、再生医療に使われるiPS細胞を大量に自動培養できる装置を日本で初めて製品化し、第1号機を大日本住友製薬(大阪市中央区)の再生・細胞医薬製造プラントに納入したと発表した。これまで、iPS細胞の培養は研究者が手作業で行ってきたが、再生医療の普及には細胞の大量培養が必要で、同社では「装置の普及によって、再生医療事業の商用生産体制の確立を支援する」としている。
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開発した装置は「iACE2(アイエースツー)」。既に、研究用としての自動培養装置は開発されていたが、今回は商用製造が可能となるよう、厚生労働省が定める再生医療製品の製造管理・品質管理の基準「GCTP省令」に適合した機能を備えた。培養容器や培地の流路などが外部と遮断されているため、無菌状態の環境で品質の高い細胞を安定的に供給することができるという。
大日本住友製薬は再生・細胞医薬分野を研究重点領域と位置付けて力を入れており、iPS細胞を使ったパーキンソン病の治療について、京都大学iPS細胞研究所と共同で取り組んでいる。装置で培養された細胞は、パーキンソン病の患者に細胞を移植して治療する方法の研究に用いられる。日立は3月末にも第2号機を大日本住友製薬に納入する。
iPS細胞は、傷ついた細胞を補って治療する再生医療に役立つと期待されており、2014年には世界初のiPS細胞を使った加齢黄斑変性の臨床研究が日本で行われた。その後も重症心不全や脊髄(せきずい)損傷を対象とした臨床研究の準備が進められるなど、iPS細胞による治療の実用化に向けた取り組みが急速に進んでいる。
日立は今後、iPS細胞を使った再生医療製品の開発・製造を手掛ける製薬会社やベンチャー企業に、自動培養装置の導入を働きかけていく。また日立グループ全体としても、細胞製造施設や関連機器、製造法の開発を進めていくほか、細胞の受託製造サービスを展開するなど再生医療の普及を支援していくとともに事業の拡大を図る。
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