関連記事
教育費が年々増加傾向 「教育費が家計を圧迫している」6割半
ソニー生命保険が「子どもの教育資金に関する調査」の結果を公表。「大学等へ進学させたい」親の8割半。6割半が「教育費の負担が重い」と感じる。進学費用は平均1万7474円/月で昨年より2037円増加[写真拡大]
少子化克服が国の重要課題の一つであることは今や言うまでもない。少子化による人口減少はマクロ経済を縮小させ社会保障制度の維持を困難にさせる。少子化は単にマクロ経済の問題だけでなく国民の幸福追求といった観点からも克服されねばならない課題だ。
出生率の実績は若い世代が希望する子供の数をはるかに下回っている。これは子供を産みたいにもかかわらず、希望どおりの出産を妨げる何らかの社会的要因があることを示唆している。その一つとして教育費による家計圧迫の問題があることは以前より指摘されてきたことだ。
ここにそれを裏付けるデータがある。ソニー生命保険が大学生までの子どもがいる20 歳以上の男女1000人に対し「子どもの教育資金に関する調査」を1月に実施、その結果を先月末に公表している。
集計結果によれば、「子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じるか」との質問に対して「非常に感じる」が17.0%、「やや感じる」が47.0%で、この両者を合計すると64.0%の者が「学力・学歴は教育費で決まる」と感じているようだ。「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」については「そう感じる」と答えた者は67.9%で7割近くの者が早期に教育費をかけることが子供のために重要だと考えている。
「子どもの教育資金に不安を感じるか」については、「非常に感じる」が26.3%、「やや感じる」が45.8%で両者を合わせて72.6%が不安を感じている。不安を感じる理由については「必要額が不明」が58.4%と最多で、次いで「収入の維持・増加に自信なし」が37.7%、また「消費税増税」が33.7%となっている。
進学費用の準備の月間支出額の平均は1万7474円で昨年18年調査より2037円増加しており、2年前の17年調査1万2513円と比べ4961円増加と年々増加傾向にある。
「多少費用がかさんでも大学等へ進学させたい」と答えた親は86.6%で、職業スキルが高度化する中、約9割の親が子供を大学まで進学させたいと考えている。また、グローバル化の影響もあってか「費用がかさんでも海外留学や海外研修を経験させたい」との回答は59.8%と6割に達しており、グローバル化を含む職業スキルの高度化が教育費を膨張させていることを示唆している。
こうした状況で「教育費の負担が重い」と回答している者は6割を越えており、この家計圧迫が少子化を産む大きな要因になっている可能性は高い。早急に教育費負担を軽減する抜本的な政策を実施する必要があることは間違いない。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・「仕事が忙しく十分な子育てができない」 男性は54%、女性は 26%
・働く主婦、「自分の収入は自由に使える」86.9%
・家計にゆとりを感じている世帯は約3割 若い世代の夫婦は年収増を予想
・家計消費、4年連続で減少続く
・2018年の家計の見通し、「苦しくなりそう」48.9% 「ゆとりできそう」11.9%
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク