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第一ラウンドを制した日産側(1) 次はJOC問題? ルノーCEO交代、闇給与10億円
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■第一ラウンド日産側の勝利
日産側と言うべきか日本側は、これで「ホッと一息」と言ったところだろう。それは、ルノーの大株主であり実質的にルノーを主導するフランス政府が、カルロス・ゴーンのルノーCEOの役職を解くからだ。ゴーンがルノーのCEOである限り、3社アライアンスは正常に機能しない。フランス側としては、これによってアライアンスの正常化を図る気ではないのであろうが、少なくとも表向き正常化に向けて実務が進む可能性が出てきた。当然に、両社ともアライアンスを解消するのには犠牲が大きすぎる。アライアンス解消の可能性がなくなったわけではないが、現在の自動車業界の生産方式の争いの中で、技術的に難しいことである。
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この動きには、日本の検察の強い意志と、それを裏付ける数々の証拠があるのであろう。「ゴーンは有罪なのか?」と言った懸念もあるのだが、日産がこれまで調査して判明している事実について「違法性を問えるか否か」は別問題として、公表すべき時が迫っているのだろう。フランス側も、後で「証拠」を見せられて恥をかかないように、「推定無罪」の原則があるにしても、ゴーンを保護するような立場を取れないのだろう。「違法性」の議論と、「経営者としてあるべきモラル」とを混同するような議論は避けるべきだ。
特に、「外国人経営者が日本に来なくなるため、日本の検察のやり方を変える」とした議論では、検察の手法の問題はあるにしろ、だからと言って「経営者のモラルを緩める」べきではない。外国人経営者、特に「ハゲタカファンド」と呼ばれてきた組織の経営者など、日本に入れるべきではない。
■オランダに作られた会社から非公開報酬10憶円
オランダに置かれた日産・三菱の統括会社から、カルロス・ゴーン元三菱自動車会長が約10憶円の報酬を受け取っていたことが、三菱自動車の1月18日の臨時取締役会で報告された。違法性があるのか否かは分からないが、ゴーン被告とケリー被告で非公開報酬を受け取るために設立された会社のようだ。
さらに、本体とも言うべきルノー側で、未確認情報ではあるが、ムナ・セペリ副社長に対して12年から5年間で総額50万ユーロ(約6200万円)の報酬を支払っていた疑念もあり、カルロス・ゴーン元日産会長の体質は正常ではないようだ。ルノーの調査を待つのだが、刑事告訴される事案と民事を区別して考える必要がある。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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