富士通とEXestら、外国人旅行者にAIで旅案内の実証実験 地方都市への旅増えるか

2019年1月18日 09:59

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サービスイメージ(写真:富士通の発表資料より)

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 富士通、富士通研究所、およびEXestは16日、外国人旅行者向けに、AIにより旅行者の潜在的なニーズを捉えてツアーなどのアクティビティプランを提案し、その有効性を検証する実証実験を開始すると発表した。

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 日本政府観光局は16日、2018年の訪日外客数は、前年比8.7%増の3,119万2千人と発表。統計を取り始めた1996年以降最高を記録した。安倍政権は観光を成長戦略の柱の一つに据え、2020年に4000万人という目標を掲げる。2018年は、前年から伸び率で8.7%、人数では250万人の増加だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを考慮すれば、目標達成の可能性は十分ある。

 訪日外国人数を国別で見てみると、中国の838万人、韓国の754万人、台湾の476万人など、東アジアの比率は73.4%で、2017年度の74.2%とほぼ同じだ。次いで、欧米豪の11.6%、東南アジアの11.2%と続く。日本政府の観光交流や観光のICT化などの施策に加えて、東アジアの経済の好調さが目標達成のカギとなりそうだ。

 他方、2018年7月~9月の都道府県別訪問率は、東京の43.8%が最高、次いで大阪38.0%、千葉34.5%、京都28.6%、福岡11.6%、奈良10.9%、北海道9.9%、沖縄9.5%と続く。

 ところが、都道府県別宿泊日数は事情が大きく異なる。東京4.5日、大阪2.7日、千葉0.4日、京都2.1日、福岡2.6日、奈良0.4日、北海道4.8日、沖縄4.2日だ。千葉は空港利用泊で、奈良は京都や大阪からの日帰り観光などが多そうだ。逆に、訪問率0.1%の福島の平均宿泊日数は5.1日、訪問率0.4%の茨城の平均宿泊日数は5.3日、訪問率0.6%の埼玉の平均宿泊日数は5.9日、訪問率0.1%の福井の平均宿泊日数は4.6日だ。全てが観光目的とは限らないが、多少不便でも魅力的な観光地には、滞在日数が多いということだ。

 今回の発表は、AIを用いて外国人旅行者の潜在ニーズに合った魅力的な観光地を提案する試みだ。実施サイトは、外国人旅行者向けマッチングプラットフォーム「WOW U」で行う。

●WOW U実証実験の特長

 利用者が入力した年齢層や旅の目的などの属性データをもとに、AIが利用者の好みを推論。最適なアクティビティプランを提案する。

 きめ細かく豊富なアクティビティプランが提案できたかサービス利用者の満足度調査やサイトの利用ログを分析。アクティビティプランの成約率や成約までに要した時間を分析し、専用スタッフの経験やノウハウを基にした手法と比較する。

 AI技術で外国人旅行者への魅力的な旅の提案が、観光地方都市の発掘や地方の活性化につながると期待する。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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