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カルロス・ゴーン再逮捕で何が起こる(1) 日産は「RAMA」で戦え! ルノー会長復帰もムリ
日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者が「特別背任容疑」で再逮捕された。2008年の事件が対象のようで、時効は7年間なので海外に出ていた期間を除いて立件可能なのであろう。特捜部の意思はこの事件に関しては、裏では日本政府の意思である可能性が高いため、「日産を渡さない」との強い「日産と日本政府の決意」であると見てよいだろう。会長人事における主導権争いは今熾烈であるようだ。
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■日産は「改定アライアンス基本合意書(RAMA)」が頼り
ルノーと日産の間には、「改定アライアンス基本合意書(RAMA)」がある。これは、両者の間で結ばれている協定だ。
「【コストカッター、カルロス・ゴーン(7)】ルノー(フランス政府)との敵対的攻防を想定せよ」や「【コストカッター、カルロス・ゴーン(9)】 現実の「RAMAと総会での想定される抗争劇」でお伝えしたように、日産側に有利な内容が盛り込まれている。
ルノーは臨時総会を開くように要求している。日産は現状では拒否しているようだが、ルノーの株比率(43.4%)では拒否することは難しい。ルノー側が裁判所に申し出れば、8週間以内に開催しなければならなくなる。
日産側が行っている対抗策は「新設されるガバナンス委員会で練り直す」ことだが、これには委員会の人選を注目する必要がある。現在、「会長候補者の選定を協議する委員会」の委員を務めているのは、「日産自動車社外取締役3名」だ。その中の1人に経済産業省出身の豊田正和氏がいるように、経済産業省はその影響力を露骨に示している。「ガバナンス委員会」についても影響力を示し、実質的に日本政府の意向を堅持するものと見られる。この根拠は「RAMA」であろう。
ルノーの臨時株主総会開催要求は、日本政府のこうした指導力をけん制するもので、日産側は「ルノー株10%買い増し」(ルノー株25%を日産が持つと持ち合い株になり、ルノー側の日産自動車に対する議決権が消滅する)に繋がる、ルノー側の「強引な経営干渉があった」との理屈に繋げたいのであろう。これはRAMAの内容にある条文で、皮肉にもカルロス・ゴーンが自分の立場を確保するために設けた日産に有利な内容だ。
次は、日産社員の気持ちを考えると、ルノー会長復帰も無理か?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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