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MUFG、中間決算の業務粗利益は1,255億円減益 債券関係損益の減少が影響
損益サマリー
徳成旨亮氏:本日は遅い時間にも関わらず、MUFGのネットカンファレンスにご参加いただき、誠にありがとうございます。
損益サマリーからご説明いたします。左側の表の1行目(をご覧ください)。2018年度中間決算における業務粗利益は、前年同期比で1,255億円減少しました。内訳として、2行目の資金利益は国内預貸資金収益や債券利息が減少しましたが、外貨預貸資金収益は増加し、全体では前同比で小幅な減少となりました。
3行目の信託報酬と役務取引等利益は、リテールの運用商品販売あるいは法人のソリューション関連ビジネス手数料が減少いたしましたが、受託財産業務や証券プライマリービジネス、コンシューマーファイナンス子会社での増収により、前同比で微増となりました。
4行目の特定取引利益とその他業務利益は、国債等債券関係損益の減少を主因に1,230億円の減少となり、それが1行目の業務粗利益の減少の主たる要因となっています。
次に6行目の営業費です。国内は経費抑制等により前年同期比マイナスとなりましたが、海外での業容拡大や規制対応等費用により、全体として経費は前同比で小幅に増加いたしました。
この結果、7行目の業務純益は1,326億円減益の5,681億円となりました。経費率は粗利の減少を主因に69.8パーセントに増加しております。
続きまして、8行目の与信関係費用です。貸倒引当金の戻入れを主因に、前同比1,148億円の改善となりました。9行目の株式等関係損益は、既存戦略出資先の見直しにともなう株式売却等もあり、301億円増益の851億円の利益計上となりました。
これらの結果、14行目の経常利益は8,859億円となりました。また15行目の特別損益は前年同期に計上した株式交換益の剥落等もあり、前年同期比215億円減少し、171億円の損失計上となりました。
以上の結果、17行目の親会社株主に中間純利益は前年同期比238億円。率にして3.8パーセント増益の6,507億円となりました。年度の純利益目標8,500億円に対する進捗率が76.5パーセントです。
事業本部別業績概要
事業本部別の業務概要をお示ししています。なお、R&C・CGB等英文略称がございますけれども、各事業本部の略称の日本語名は、末尾の13ページにまとめて記載しておりますので、ご参照ください。
左側、上段のグラフは6つの事業本部別の営業純益、下段のグラフはその増減内訳でございます。左下のグラフでご説明申し上げます。
全体として営業純益は大きく減少しましたが、顧客部門は前同比プラス315億円の増益を確保いたしました。
顧客事業本部のうち国内個人と中堅中小企業を担当するR&C(リテールアンドコマーシャル事業本部)は、運用商品ビジネスの苦戦により、前同比で117億円の減益となりました。
また、日系大企業を担当するJCIB(Japanese Corporate & Investment Banking)、非日系大企業を顧客とするグローバルCIB(GCIB)、タイのアユタヤ銀行・米国のユニオン銀行を所管するGCB(グローバルコマーシャルバンキング)、アセットマネジメント業務などを行う受託財産の4事業本部では増益となりました。
一方、市場事業本部はトレジャリー収益の減少を主因に、大幅な減益となりました。
B/Sサマリー
バランスシートのサマリーです。右側の上段(をご覧ください)。貸出金の推移です。貸出金残高は2018年3月末比全体としては6,000億円増加の109兆円となりました。
このうち海外貸出は、為替影響込みで1兆1,000億円。(為替影響を)除くと5,000億円増加しておりまして、引き続き増加基調を維持しております。
次に、右下の預金です。個人預金は増加しましたが、法人と預金が減少し、2018年3月末比で1兆3,000億円減少の176兆円弱となりました。
預貸資金利回り等の推移
左側のグラフの上から2つ目の折れ線が、国内預貸金利回り差の推移です。低金利環境が継続する中、すう勢として国内預貸資金利回り差は低下基調が続いております。右側には海外の資金利回り等をお示ししております。
貸出資産の状況
左側にお示しの通り、リスク管理債権は引き続き減少しています。右側のグラフの与信関係費用総額は、今期大口の引当金の戻り等もあり、1,179億円の戻入益となりました。
保有有価証券の状況
株式や国債等の有価証券の状況についてご説明します。左上の表の1行目、有価証券のトータル残高は、3月末比で約9,000億円減少しました。4行目の国債が約1兆8,000億円減少し、7行目の外国債権も約4,000億円強の減少となっています。
評価損益についてです。米国金利の上昇を受け、7行目の外国債権は評価損となっておりますが、4行目の国債は2,000億円程度、3行目の国内債権全体では2,300億円程度の評価益を保持しております。
自己資本の状況
自己資本の状況をご説明します。左の文章下段に記載の通り、9月末時点のバーゼルⅢの完全実施ベースの普通株式等Tier1比率は11.9パーセント。有価証券の含み益除きでも9.7パーセントと資本の健全成長を引き続き、十分な水準を確保しています。
また中計で11パーセントを目標として掲げました規制最終化ベースの試算値は11.8パーセントとなりました。
2018年度業績目標
中間決算の純利益が当初目標を上回って着地したことを踏まえまして、親会社純利益の通期目標を9,500億円に引き上げ、その着実な達成を目指します。
2018年度株主還元
株主還元策についてご説明します。2018年度の配当は中間配当および期末配当をそれぞれ期初予想の10円から1円増配の11円とし、年間22円とします。昨年度の年間配当19円から3円の増配となります。
また資本効率の向上に資する株主還元策として、機動的に資するとしておりました自己株取得につきましても、上期の約500億円に加え、新たに1,000億円を上限として自社株取得を行い、取得した当該株式を全株消却することを本日の取締役会で決議いたしました。
今後も資本の健全性や成長のための投資との最適バランスを検討した上で、配当性向40パーセントに向けた増配を含む株主還元の一層の充実に努めてまいります。
2018年度第2四半期決算の概要①
ただ今お話しした中間決算の概要を一部中計最終年度である、2020年度の目標数値とともにまとめてお示ししております。
左上の①連結粗利は、市場部門を中心に6パーセントの減少。②連結業純は19パーセントの減益。一方で③中間純利益は4パーセント増益で通期目標を9,500億円へ上方修正いたしました。
右上に進んでいただきまして、④経費率は69.8パーセントへ上昇。⑤ROEは横ばい。⑥セット1比率は問題ない水準。そして⑦株主還元は前年実績から3円増配の22円に年間の配当予想を引き上げるとともに、下期に自社株取得1,000億円を実施というのが、この中間期決算の概要でございます。
2018年度第2四半期決算の概要②
資料中段の左側には、経費率の中計における想定と、上期の実績との関係をお示ししています。また右側には2023年度の配当性向40パーセント目標と配当の実績、今回の配当予想の変更との関係を図示しております。
下段をご覧ください。MUFG再創造イニシアティブの進捗につき、簡単に記載しております。左から順にデジタライゼーション戦略では、米国Akamai社と新型ブロックチェーンを用いた新たな決済基盤の構築に向けた協働をスタートさせたほか、パーソナルデータ(個人のデータ)に関する情報信託の実証実験を開始しました。
またチャネル戦略・BPR施策では、従来型の店舗の削減は計画どおり進捗しておりますが、一方デジタル化店舗であります「MUFG NEXT」の第1号店として、来年1月に学芸大学駅前支店をリニューアルオープンする予定です。
さらに10月に設立した三菱地所さまとの合弁会社の知見を生かしまして、当社グループが保有する店舗用不動産の活用、店舗網の再構築を進めてまいります。
グループの機能別再編による法人営業におけるRM-POモデルの高度化につきましては、銀行・信託の法人業務の貸出が無事完了いたしまして、今後有為な人材を重点戦略分野へ投入してまいります。
また成長戦略の一環としまして、8月にはインドネシアのバンクダナモンの株式追加を実施し、出資比率を40パーセントまで引き上げました。また、拡大が期待されるアセットマネジメント分野におきまして、豪州大手資産運用会社の株式全株を取得することに合意するなど、市場成長が見込める分野、市場成長の取り込みに向けた着実な対応を進めております。
これからを含む中期経営計画の進捗につきましては、16日(今週金曜日)の会社説明会におきまして、より詳しくご説明申し上げる予定です。私も財務担当役員として、デジタル技術を活用したチャネルの最適化、BPRなどの効率化の施策、あるいは粗利増強につながる施策に予算や投資を重点的に配分するなど、構造改革を財務面からもしっかりとサポートしてまいります。ご説明は以上です。
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