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北海道日本ハムファイターズ、「世界がまだ見ぬボールパーク」の建設を発表
5日、日本ハムと北海道日本ハムファイターズ、北海道ボールパークは、北海道北広島市共栄(きたひろしま総合運動公園)に建設する新球場の概要を発表した。
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新球場の建築面積は約5万平方メートル、雪が落ちやすい切妻屋根を、スライドさせて開閉する。球団が渇望していた天然芝フィールドを備え、地上4階地下1階建てのRC・S造で、収容人数は約3万5千人。開閉式の屋根を備えた、天然芝の野球場は日本初だ。3~4千台収容可能な駐車場を併設し、球場周辺には商業施設やホテル、レストランと温浴施設も整備される。天然温泉につかりながら野球観戦が可能なエリアも想定されているという。見た目も、設備もシステムも、今までの野球場のイメージを一新させる斬新な新球場である。
建設費用は球場周辺の外構部及び球場内設備機器等を含んで約600億円、19年9月に資本金200億円超の新会社を設立し、日本ハムグループが67%を出資して日本ハムの連結子会社とする。更に、新会社は日本ハムから約400億円を借入して、約600億円と見込まれる総工費を賄う。
ボールパークの構想は出来た。当然のことながら、今すぐにでも行ってみたくなるような、夢が膨らむイメージだ。コンセプトにある通り、『“北海道のシンボル”となる空間を創造する』という強い意志が伝わってくる。食の面では役者に事欠かない“北海道”である。おそらく期待通りの素晴らしい施設が完成するだろう。
もちろんクリアされていない課題もある。最大の課題はアクセスだ。3万5千人の観客を受け入れて、送り返すためには大量輸送システムは欠かせない。新球場は、北海道の鉄道輸送の大動脈で、新千歳空港の利用者も多く利用するJR千歳線の路線に隣接して建設される。最短距離に新駅が設置されれば、アクセス面の問題はほとんど解消と言える。反対に新駅設置が見送りとなると、アクセスの貧弱さが集客の足を引っ張り、計画への懸念が強くささやかれている。そのアクセスに不可欠なJR北海道との協議が進展していない。
過疎地を多く抱えて収支改善に待ったなしのJR北海道は、周辺自治体と赤字線の廃線交渉を行っているさ中の9月に、北海道胆振東部地震に見舞われて大きな被害を受け、財務状況はさらに悪化した。
いくら大きな夢でも、自立した経営が可能となる条件を欠いていれば、次第に色褪せて、当初の期待を裏切る結末を迎えてしまう。今までにもそんな例はいくらでもあった。過去の失敗の轍を踏まずに、北海道の新たな魅力を発信するエンタメ球場として誕生するために、今が正念場と言える。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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