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低栄養傾向の高齢者、男性13% 女性20% 外出頻度と相関
厚労省が「平成29年国民健康・栄養調査」の結果を公表。65歳以上の低栄養傾向の者の割合は、男性13%、女性20%。外出していない男性の低栄養傾向の者の割合は、外出している者と比べ約20ポイント高い。[写真拡大]
医療技術の進歩や保健情報の普及によって現代の高齢者は健康で元気だ。2012年、政府は国民の身体の状況、栄養素等摂取量及び生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図る目的で健康増進法を制定している。厚生労働省はこの法に基づき「国民健康・栄養調査」を毎年実施している。
11日、昨年11月に実施された平成29年分の「国民健康・栄養調査」の結果が発表された。今回の調査は毎年実施している基本項目に加え高齢者の健康・生活習慣の状況を重点項目とし、高齢者の筋肉量や生活の様子について調査が行われている。
調査結果を見ると、エネルギー摂取量に占める脂質摂取量の割合は年齢が高いほど低く、炭水化物摂取量の割合は年齢が高いほど高い傾向にある。男性では脂質摂取量の割合が20代で29.2%であるものが75歳以上では23.7%まで低下し、これに反比例するように炭水化物摂取量の割合が増大している。
女性では20代で脂肪が30.5%、75歳以上で25.2%に減少し、逆に炭水化物は男性ほどではないが加齢とともに増大傾向が見られる。タンパク質の摂取比率は男女共に15%前後で各年代とも安定している。
体格の状況を見ると、65歳以上のうちBMI≦20kg/m2の低栄養傾向のある者の割合は16.4%で、男女別にみると男性が12.5%、女性が19.6%となっている。この推移を直近10年間でみると、男女共にその増減変化には統計的な有意性はみられない。
年代別には、80歳以上で男女ともに約2割が低栄養傾向にある。60歳以上の骨格筋指数の平均値は男性が7.7kg/m2で、女性は6.5kg/m2となっており、男女とも年齢が高いほど減少傾向が見られ、とくに男性で30~64歳で8.4であったものが75歳以上では7.2と大きく低下している。一方、女性では60~64歳では6.7、75歳以上で6.2となっており減少幅は比較的に小さい。
骨格筋指数の平均値については、男女ともたんぱく質摂取量が多い者ほど高い傾向があり、肉体労働をしている時間が長い者ほど高くなっている。
生活の様子をみると、男性では年齢階級に関係なく週1回以上「外出なし」が「外出あり」よりも低栄養傾向の者の割合が高い。一方、女性では大きな違いは見られない。男性では外出と運動の量が体格の維持の上で重要なようである。(編集担当:久保田雄城)
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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