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日産・リーフ協調ブレーキ制御ソフトに脆弱性(2) PL法(製造者責任法)を改正すべき
■PL法(製造者責任法)を改正するべき
まず、日産・新型リーフが出た当初、日産ディーラー営業マン・お客様相談室での説明では、「回生ブレーキだけで停止している」との誤った説明がなされており、知識の教育を進めるべきである。行き過ぎた「宣伝文句(キャッチフレーズ)」偏重が起きているのは、あらゆる営業現場の最近の傾向だ。「eペダル」の動作中、『アクセルを離すと0.2GのマイナスGが安定的に発生しないと事故に繋がる』可能性があるので、ユーザーは注意が必要だ。回生ブレーキの補助をつかさどる油圧ブレーキとの連動の制御プログラムに「バグ」が存在している可能性を排除しきれないのが現実なのだ。
【前回は】日産・リーフ協調ブレーキ制御ソフトに脆弱性(1)『日経 xTECH』独自調査で指摘
確かに日産が発表しているように、回生ブレーキが作動しなくなっても油圧ブレーキ(フットブレーキ)が作動しているので、最終的安全は確保できるはずだ。しかし、「ブレーキの利きが悪い」違和感が突然現れたとき、運転者が対応できない可能性が高い。「eペダル」がガソリン車の運転感覚と違和感があり、「アクセルを加減してブレーキの利きを調整しているフィーリング」は慣れを必要とする。実際に乗ってみると分かるが、「慣れると便利だが、効かなくなったと感じたとき強く踏むことがとっさにできるのか?」疑問がわく。しかし、「制御プログラムの脆弱性」だけの問題で、悪意があるものが車に乗り込んでいじらない限り、回生ブレーキの作動を止めることはできない。ユーザーは基本的に日産を信頼してよいはずだ。
日産は「油圧ブレーキがあるため安全は確保されている」と主張している。しかし、以前のモデルで、ネットで問題提示されている「ブレーキの効きが悪い」状況が突然発生することについて、ユーザーがとっさに対処するのは難しいことを重要視すべきだ。前モデルは「欠陥車としてリコールすべき」で、現在のモデルでも改善点を告知すべきではないか? ディーラーの告知義務について、メーカーは「ガバナンス」を整備していく義務があろう。以前のモデルでは、実際に「追突事故」になった事例などがネット上で見られるが、本来はメーカー、ディーラーの責任が生じている場面であり、メーカー・ディーラーが告訴される事案だ。これがアメリカ社会だったら、見逃されることはないであろう。
これからは、このような「制御プログラム・制御機構のバグ」の責任問題が、「運転支援・自動運転システム」には付きまとうのであり、早く法整備を進めるべき重要事項である。日本の法律では「欠陥はユーザーに証明責任」があるが、「事故が欠陥でないことをメーカーが証明できなければメーカーの責任」とするように、いわゆるPL法(製造者責任法)を欧米レベルに改正するべきときだろう。議員立法でもよいので、問題意識を国会全体で持つべき重大事と言える。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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