水処理膜の世界市場、25年は17年比56.1%増に 新興国の経済発展寄与

2018年8月29日 20:40

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 富士経済は28日、浄水・下水・産業用排水・民生用途で使用される水処理膜の市場調査結果を発表した。同市場は欧米の安定した需要や新興国の経済発展などにより拡大、世界市場の規模は、18年には17年比5.6%増の2,323億円、25年には同年比56.1%増の3,435億円と予測している。中国メーカーも台頭していることからメーカー間の競争は今後さらに熾烈になるという。

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 水処理膜をはじめとする水環境分野は、いずれの膜・フィルター市場も需要のすそ野が広く、中国や新興国における経済発展や工業化、環境意識の高まりに伴う需要増、海水淡水化関連や半導体関連の好況、新規用途分野の開拓などによって拡大すると予想している。

 調査では水環境分野のほか、ライフサイエンス分野、輸送機器分野、工業プロセス用分野などの市場調査も実施、国内市場と日系メーカーの動向を予測している。全体の合算である高機能分離膜・フィルター市場は新興国の都市化や工業化、排ガス規制の強化、空質環境改善ニーズの高まりなどにより拡大。今後も伸長し、国内市場と日系メーカーの海外売上げを合わせた市場規模は、25年には6,177億円(17年比18.9%増)になると予測している。

 ライフサイエンス分野では、食品・医薬プロセス用膜市場がリプレース需要や競合技術からの置き換えにより微増していくと予測。需要先は安全性を重視する医薬・食品メーカー向けであるため今後も安定した需要が大きい。透析膜市場は、患者数の急激な増加はみられないが、単価の高い製品に置き換わることで拡大が期待される。

 輸送機器分野は、燃料フィルター市場やオイルフィルター市場が高齢化や人口減少に伴うドライバー減少、ゼロエミッション車の研究開発が加速しているため、縮小していくとしている。

 工業プロセス用分野は、半導体ガスフィルター市場が半導体メモリ市場の急成長によって拡大。今後は半導体製造装置の高度化に伴い装置1台に複数のフィルターが用いられるため、市場は伸長していくとしている。酸素・窒素富化膜市場は中国の石炭露天掘り向けが増加していることから堅調に推移するとしている。

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