継続する米ドル高、9月利上げの行方とドルが本格上昇するのか注視 住信SBIネット銀行(三井智映子)

2018年8月28日 15:08

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記事提供元:フィスコ


*15:08JST 継続する米ドル高、9月利上げの行方とドルが本格上昇するのか注視 住信SBIネット銀行(三井智映子)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。

先週は、米中貿易協議への期待感から堅調な相場展開だったといえるでしょう。8月22日に公表されたFOMC議事録では、多くの委員が「近い将来利上げが必要」との判断を下し、24日に開かれたパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演では、インフレ率が目標の2%を上回って加速する、インフレ高進リスクの兆候がほとんどみられないといった旨の発言をしました。着実な利上げが現時点では最善であり、利上げペースを速めない姿勢を示したことが市場に好感されました。

また、トルコリラ急落が一服し、先週休場となっていたトルコ市場ですが、トルコと米国との関係が改善するのか悪化するのか、トルコリラの動向や新興国通貨にも今週は注目が集まりそうですね。

それでは、今週のポイントはどこなのでしょうか。

住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」では、まず為替市場で米ドル高が継続するのかに注目。『先週はトランプ大統領のFRBの金融政策批判、米中通商交渉の最中、160億ドルの追加関税発動、さらに2016年大統領選当時に選対本部長への有罪評決などのドル売り材料を無難に消化しつつあるだけに、今週、あらためてドル売り・円買いに向かうには先週以上にインパクトのあるドル売り材料が必要かもしれません』と述べています。

続けて、『そのためドル/円は112円台の回復を伺う可能性もあるほか、少なくともユーロやポンド、豪ドルなどドルの対主要通貨での堅調地合いは今週以降も続くと予想されます』との見解を示しています。

そして、9月の利上げ観測につながる経済指標に言及しており、今週注目されるイベントについて『今週29日に発表される米4-6月期GDP改訂値や30日に発表される米個人消費支出、さらにはFRBがインフレ指標の一つとして注目する個人消費支出コアデフレーターがFRBの9月利上げ観測を一段と高めることになるか注目されます』と伝えています。

次いで9月4日の英議会再開に向けては、『議会再開を前にEU離脱交渉の先行きに対する議論が活発化する可能性があり、ポンドが一段の下落に向かうのか注目されます』とのことで、『議会そのものは9月4日から9月13日までと限られた期間となるため、9月20日の非公式EU首脳会議に向けて急ぎ足で議論を進める必要があるだけに議会再開を前にした今週のEU離脱交渉を巡る英国およびEUの要人発言や関連のヘッドラインには注意が必要かもしれません』と指摘しています。

加えて、『ポンド安が進行した際のユーロ動向も注目されるほか、引き続き米国人牧師の釈放を拒否し、米国との対立を深めるトルコリラをはじめ新興国通貨の動向にも注意が必要です』と注意を促しています。

参考になさってくださいね。今週も頑張ってまいりましょう!

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子《HH》

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