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日産が大幅減益 更なる不正頻発で先行きに不透明感 米国市場も不振
2018年4月?6月の決算について説明する日産自動車の田川丈二・常務執行役員[写真拡大]
日産自動車の低空飛行が止まらない。先般、自動車各社が発表した2018年度第一4半期の業績を見ても、突出して日産の低調ぶりが目立つ。同社は90年代後半の低迷をコストカッターと揶揄されたゴーンCEOの手腕で乗り切ってきたが、同時に国内市場を軽視するような市場戦略&商品戦略をとってきた。
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が、発表となった4半期業績(2018年4?6月期)では、米国での販売不振や原材料価格の高騰が響いて、本業の儲けを示す営業利益が前年比71.2%、額にして1091億円にまで落ち込んだ。加えて、7月9日には新たに、排気ガスおよび燃費データ不正問題が発覚。1?6月国内販売で登録車乗用車のトップセールスを記録した「日産ノート」の販売にも急ブレーキがかかり、マイナス0.8%に踏みとどまった国内販売の見通しも怪しくなってきた。
なお、日産のグローバル販売は同期、前年比97.0%、131万台だったが、米国では前年同期比90.5%と大きく落ち込んだ。日産によると、在庫調整を進めたため、としているが、在庫調整が必要なほど長期的に販売が不振だったともいえる。
日産は今後の見通しについて、「(排ガス不正発覚後の)7月に入ってからも受注は好調で、前年比プラス5%程度を維持している」としている。が、昨年9月の無資格社員による完成車検査問題が発覚した際、翌10月に前年同月比57.0%と大きく落ち込み、その後半年以上にわたって前年比マイナスを記録した経緯がある。
日産は今回の排気ガスデータ不正についての報告書を、国土交通省へ間もなく提出するとみられる。しかし、相次ぐ不正が発覚した日産としての企業風土改善策や再発防止策を具体的に示さなければ、日産車のイメージ悪化は避けられない。昨年のような国内販売の足を引っ張る可能性が残る。
日産と同様に主戦場を米国におくホンダの同期販売は、営業利益2993億円で前年比111.2%と好調なのと対照的だ。ホンダは2018年度通期で450億円の増益、6150億円の営業利益に上方修正している。
また、米国市場に強みを持つマツダの同期グローバル販売は、40.3万台で過去最高を記録、前年比107.0%と高い伸びを見せた。米国販売も好調で前年比110.0%を達成している。
一方、最大手のトヨタの発表によると、2018年4月?6月期の米国規準の連結業績は、ダイハツ工業、日野自動車を合わせたグローバルで、売上7兆3627億3300万円、前年比104.5%。営業利益6816億8700万円で前年比118.9%の高い伸びをみせている。(編集担当:吉田恒)
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