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2020年までに無人運転が実用化? 夢が広がる自動運転の最先端技術
自動車の自動運転化がにわかに活気づく中、ロームはセンサやカメラなど安全運転支援モジュールの進化に貢献する超小型電源IC「BD9S シリーズ」を開発した[写真拡大]
自動車の自動運転化がいよいよ現実味を帯びてきた。米国自動車技術会(SAE)が定義している6段階の自動運転レベルの内、すでにレベル2の「部分運転自動化」技術までは市場への投入が進んでいるが、それらは自動運転といってもあくまで運転者のサポート的なもので、多くの人が期待する自動運転のイメージにはほど遠いものだ。
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しかし、一昨年あたりから徐々にレベル3以上の自動運転技術の実証実験が各社で実施され、にわかに活気づいている。日本政府も、東京オリンピックが開催される2020年頃を目途にレベル3の市場化を目指すロードマップを策定しており、レベル4においても一部地域の主要国道などを中心に導入を始め、2025年頃以降の実現を目指すとしている。また、それに伴って、制度やインフラを含めた社会システムの整備面でも具体的に検討が始まったようだ。
自動運転化技術を巡る企業の動きも活発化している。
例えば、通信会社大手のKDDIは17年12月、アイサンテクノロジー株式会社、株式会社ティアフォー と共同で、国内初の一般公道における遠隔制御型自動運転システムの実証走行デモンストレーションを実施し、レベル4の完全無人運転に成功し、注目を集めた。
また、2016年から主力のミニバン「セレナ」をはじめ、「エクストレイル」「日産リーフ」などにレベル2の自動運転技術「プロパイロット」を搭載して話題を集めた日産自動車も、今年2018年には高速道路の複数レーンを車線変更できる自動運転技術を導入し、やはり東京オリンピックが開催される2020年までに、一般道路にも対応した自動運転技術を投入、2022年には完全自動運転を実現する予定であることを発表している。
日産が公開している資料によると、実験車両にはソナーとカメラがそれぞれ12個、ミリ波レーダーが9個、レーザースキャナー6個、さらにはHDマップなどが搭載されており、これらの情報を組み合わせて利用することで、車両の周囲や位置を正確に把握し、交通量が多く複雑な公道でもスムーズな自動運転を実現するという。
ここで重要になってくるのが安全面での配慮だ。車の事故は命にもかかわる惨事になりかねない。完全自動運転が確立するためには、安全面で安心できることが必須条件になる。
そしてそれには、システムだけでなく部品レベルでの信頼が求められる。そんな中、ローム株式会社は、ADAS(先進運転支援システム)のセンサやカメラ、レーダーなど、自動車の安全運転支援モジュールに向けた超小型電源IC「BD9Sシリーズ」の開発を発表した。ADAS用モジュールは、小型化と省電力化、高信頼性が重要視されるが、今回の電源ICは、業界トップクラスの小型化、高効率化を実現するとともに、IC内に監視機能を搭載することでシステムの安定動作を可能にした。
部品レベルで信頼性の高い製品を提供できるのが、日本の自動車関連メーカーの最大の強みだろう。ADASをはじめとする自動車市場拡大の期待もあり、KDDIのように異業種からの参戦や、複数の企業による共同開発も進む。(トヨタ自動車とLINEのように)より幅広い協業を行うことで日本全体の技術の底上げが進めば、2020年以降の世界の自動車市場で、日本は再び大きく躍進できるのではないだろうか。期待したいところだ。(編集担当:藤原伊織)
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