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マツダCX-5マイナーチェンジ(下) 信じられないほどの精度と耐久性
■信じられないほどの精度と耐久性
マツダ・CX-5の「SKYACTV-G 2.5L」と名付けられたガソリンエンジンだが、電子制御はともかく気筒休止機構に見られるように、通常使用でも4,000回転はするとみられるバルブ開閉機構の細工は、不安さえ感じさせる精度だ。中国が独自のエンジンを造れないことが肌身で感じられる。一昔前のSOHCレベルの構造で、バルブサージングを起こすのではないかと思ってしまう。神戸製鋼の品質保証の問題があるが、素材の品質から均一でないと、耐久性も剛性も含めて、採用できない構造だ。自動車産業は日本の高い品質が基礎となっている産業であると、つくづく感じる。アメリカが鋼材に輸入関税をかけても、アメリカメーカーが日本の物を買わないわけにいかない理由が分かる。
【前回は】マツダCX-5マイナーチェンジ(上) 内外装の変化は最小だが磨き上げるように進化
「電子制御と機械式メカニズムの整合性」も難しい問題があるだろう。また、これほど精密な機構がいつまで正確に動作するのか?ディーラーの整備で対応できるのか?と疑問に思ってしまう。もしかしたら数年すると、燃費が落ちてくるなどの耐久性に問題があるかもしれない。もしかしたら、整備士の腕前と、整備費用上昇などの問題があるかもしれない。私が接してきたディーラー整備の最前線では、とても維持できるとは思われない。
テスラのイーロン・マスク氏がどれほど論理に天才ぶりを発揮しても、作業現場の高い品質を保つコツは、なかなか会得できないものだ。「品質保証」の壁を克服することが必要だ。
しかし「論より証拠」、新型CX-5は見事な走りを示しているようだ。私はマイナーチェンジ前のCX-5しか乗っていないが、Gベクタリングコントロールの効果には信じられないほど「何もすることがないハンドリング」と感想を持った。今回調整がなされたのかは分からないが、これほど制御された車を運転しているのでは、「車の運転ではなくゲームだ」と感じる。
FF車なら確実に外側に膨らむと予測しているハンドリングとアクセルワークだが、何事もなかったように巨体(背の高い)をスムーズに一直線に加速させていく様に感心した。この裏で、エンジンのアクセルワークを小刻みに制御し、FFのタックイン挙動を利用しているなど予測もできない。一方、スバルのブレーキングを使った同じような制御は、4WDでは致し方はないだろう。
国産車のハンドリングに対するアプローチが、BMW、ベンツ、アウディなどと違って、電子制御から入っていることが特徴だ。機械式のままでのハンドリングはどのように作られているのか、いちど電子制御を外した車で体験してみたいものだ。「電子制御」万能の時代に無意味なことか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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