マツダCX-5マイナーチェンジ(上) 内外装の変化は最小だが磨き上げるように進化

2018年5月7日 18:26

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マツダ・CX-5(画像: マツダの発表資料より)

マツダ・CX-5(画像: マツダの発表資料より)[写真拡大]

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■自動車メーカーとして誠実なメカニズム・カイゼン

 マツダ・CX-5は、1年余りでのマイナーチェンジだが、進歩は早い。360度ビューモニター、車速感応式パワードアロック(事故時ロック自動解除機能付き)、全席ワンタッチ式パワーウインドウのモデルなど、変更は微細になる。しかし、パワーユニットの詳細な変更は、現在の最新メカニズムを搭載するなどでデザインの変更はなく、そのメカニズム・カイゼン姿勢でのマイナーチェンジの方向性は、誠実で好感が持てる。マツダの企業体質としての好感度部分だ。

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 恐らく、このマイナーチェンジの本筋であるパワーユニットの改善だが、「緻密な多段燃料噴射」など、きわめて繊細な制御を可能にしてきているのは、「スカイアクティブ-X」の開発などでマツダが目指す「Well to Wheel」(油田から走行まで)を見渡したエンジンの熱効率を高める努力が、具現化しているものなのだろうと感じる。特に、トヨタ、ホンダが「エンジン熱効率40%を超えてきた」と宣伝する中で、「ピークの性能で云々しても仕方ない」と熱効率戦争に参画しない姿勢は信頼がおける。

 他メーカーに比較して0.5歩リードしている繊細さだ。個人的にはこれほど高速で繊細な燃料噴射制御に、プログラムはともかく、「機械メカニズム部分」が反応出来ているのか?信じられない。特に、スバルの排ガス問題で明確になってきている「品質保証」の概念において、「型式指定」としてサンプルはできても、同じ精度の製品が量産できているという保証については別問題だからだ。

 しかし、カタログ値はともかく、確かに実質燃費は向上しているようで、技術者たちに頭が下がる思いだ。ディーゼルエンジンはより細かい工夫で静粛性が上がったようだが、以前からマツダのディーゼルは静粛性が高いので定評がある。それよりも、今回の改良で目玉と言えるのは、2.5Lガソリンエンジンの「気筒休止」であろう。燃費向上策として知られているが、その耐久性、静粛性など、一般道路走行中は切り替えが激しく、各部の耐久性などではまだ評価は確定していないと感じるメカニズムだ。一昔前のエンジンでは「プラグが被る」危険を感じる動作で、古い人間の私はいまだに不安が残っている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: マツダCX-5マイナーチェンジ(下) 信じられないほどの精度と耐久性

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