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「リメンバー・ミー」が観客動員1位に!ピクサーが大人の心を打つ理由は?
■人気のピクサー映画が1位を獲得
ディズニーとピクサーが贈る最新作「リメンバー・ミー」が上映されから3週間が経ち、ついに3月31日~4月1日の全国映画動員ランキングで1位となった。同時期には「ドラえもん」や「ボス・ベイビー」といったライバルが多かったが、粘り強さを見せたというところだ。
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「リメンバー・ミー」を作ったピクサーは過去にも「トイストーリー」「カーズ」なども手掛けており、子どもだけでなく大人まで涙を流してしまう映画を作る会社。その影響もあって家族層やカップル、学生など多くのファン層が存在しており、興行収入では3週ともトップ。大人気の映画だが、何がそこまで人を惹きつけるのだろうか。
■「リメンバー・ミー」のあらすじ
陽気でカラフルな「死者たちの世界」を舞台に描いたピクサー・アニメーションの長編作品。
日本におけるお盆の風習にあたるメキシコの祝日「死者の日」を題材に、音楽を禁じられたギター少年ミゲルの冒険や家族との強い絆を、数々の謎と音楽を散りばめながら描いた。
ギターの才能を持つ少年・ミゲル。彼はメキシコ史上最高といわれているミュージシャンのエルネスト・デ・ラ・クルスに憧れ、日夜練習を続けている。しかし、ミゲルの家系は楽器を弾くことを禁じており、特に曾祖母であるママ・ココの音楽に対する態度は憎しみさえ感じさせていた。
そんな中、町ではメキシコの祝日である「死者の日」を迎えていた。町中が音楽に溢れる中、ミゲルだけは自分の夢を踏みにじられることで陰鬱な気持ちになっていた。そこで、少しでも気を紛らわせようとエルネストがまつられているお墓の前に行く。
そこにはギターが奉られており、ミゲルはついそのギターをかき鳴らす。すると、突如として彼は「死者の国」へと迷むことになる。日が昇るまでに現世へ帰らないと死者になってしまうのだが、陽気なガイコツのヘクターと交換条件を交わして現世へ帰る方法を模索することになるのだった。
■主人公の「視点」と「愛」にこだわるピクサー映画
家族愛と夢を追いかける少年の姿を描いた「リメンバー・ミー」だが、その絶妙にちばめられた謎以上に他者を思いやる愛を描いているのが特長だろう。この「愛」についてはピクサー映画の中でさまざまな形で表れており、「トイストーリー」ではおもちゃと人間の信頼関係という「愛」に溢れた映画となっている。
テーマがしっかりしていることもさることながら、なんといっても物語で設定した「視点」へのこだわりがすごい。「トイストーリー」でも主人公であるおもちゃのウッディから見える視点を徹底して描き、そのリアリティについ食い入るように見入ってしまう。そして、おもちゃでもないのにウッディと同じ視点になってしまい、ついホロリと感動させられる。
ピクサー映画はただのアニメ映画ではなく、アニメでしかできないことをしっかり表現している映画というほうが正しいだろう。「リメンバー・ミー」も一見の価値がある映画と言えるだろう。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
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