トヨタとスズキがインドで相互OEM トヨタは苦戦市場の攻略なるか

2018年3月31日 21:46

印刷

 トヨタ自動車とスズキは29日、インドで完成車を相互に供給することで基本合意したと発表した。

【こちらも】世界の自動車生産を変えた「トヨタ生産方式」のビックリする数字とは何か?(上)

 トヨタは有望市場であるインドでのシェアが4%と低迷している状態。それに対してインドで約40%のシェアを誇る同国最大手のスズキから人気のある車種の供給を受けることでインドでの事業の強化、シェア向上へのきっかけにしたいという考えだ。

 今回、基本合意した商品に関してはトヨタとスズキの両社が現地での部品の調達を可能な限り進め、インド政府が推進する「Make in India」を実現していく。それと同時に燃費の優れている商品の普及でインドでの環境にかかる負荷を減らしたり、エネルギーセキュリティにも貢献していく。

 スズキは、トヨタへ「バレーノ」「ビターラ・ブレッツァ」とOEM供給し、トヨタからスズキへは「カローラ」をOEM供給する予定。これらの活動は2019年春から順次開始していき、台数規模や供給価格は今後詰めていくとのことだ。トヨタは2010年に戦略車である「エディオス」を投入するなど、苦戦市場の攻略に力を入れたが、インドでのニーズを掴みきれなかったことからシェアは伸び悩んでいる状態。一方で、スズキの「バレーノ」と「ビターラ」は同社のインドにおける販売を支えている人気車種で、トヨタがこの2台を自社ブランドとして販売出来るのはチャンスであると言えるだろう。

 トヨタがOEM供給するカローラには一般的なエンジン車のほか、ハイブリッド車も含まれるため、スズキにとっては燃費性能の高い車種の品揃えが強化出来るというメリットがある。

 供給を受ける車種は、トヨタとスズキの両方の子会社がそれぞれの販売網を通じて販売し、市場の活性化を目指す。今後も両社は「持続可能なモビリティ社会」の実現に向けて、更なる協業の検討を続けていく方針だ。

関連キーワード

関連記事