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遠藤、新三役昇進確実もしこ名変更の予定なし
■遠藤の活躍
鶴竜の優勝で幕を閉じた大相撲3月場所、前々から騒がれていた遠藤がついに自身の壁をぶち破ることに成功した。自身の壁とは三役昇進への道だ。スピード出世を果たし、「将来早い段階で大関になるのではないか」と言われていた。しかし上位陣との対戦が多くなる番付にくると勝ち星を伸ばせず、前頭筆頭まで行くもののそこで勝ち越すことができず、三役という高い壁を越えられずにいた。
3月場所の遠藤の番付は前頭筆頭。まさに自分が超えることができないでいる番付だった。しかしそんな遠藤に追い風が吹く。横綱の白鵬、稀勢の里が2人そろって休場を発表したのだ。これにより自分より上位の力士と対戦する回数が2回減り、逆に下位の力士との対戦回数が2回増えた。三役昇進をつかむ準備は整った。
■遠藤の軌跡
遠藤の初日は大関高安。この大一番で勝ちさらに視界良好となった。2日目の取組は横綱鶴竜で負けはしたものの、この二番で1勝1敗なら上出来と言っていいだろう。その後関脇御嶽海、大関豪栄道を破り調子の良さをうかがわせた。この時点では、2桁勝利も堅いのではと思った人は多かっただろう。
ところが5日目からは3連敗。中日に千代大龍に勝利したが9日目に玉鷲に敗れこの段階で4勝5敗と黒星先行させてしまった。だが、10日目から破竹の5連勝をマークし勝ち越しを越え、最終的には9勝をマークした。千秋楽こそ松鳳山に敗れてしまったものの、終盤での5連勝がきき、技能賞まで獲得した。
三役昇進は確定となり、ようやく自身の壁を超えることができた。
■来場所への課題
三役昇進を果たしたことでより一層注目を浴びることが予想される。ファンの期待はまず「下位力士相手の取りこぼしを減らすこと」だろう。実際3月場所、上位陣相手は調子が良かったが、そこで気が抜けてしまったのか調子を落とした。
こういったことがなければさらに高みに行くことができる力はある力士だからこそ、15日間気を抜かない取り組みをするということを意識してほしい。
ここで「しこ名を変え、気を引き締める」という手もある。しかし、師匠である追手風親方は「今のままでいく」と言った。これには「遠藤はここで終わる力士ではない。この上に行くことができる力士だ」という想いが溢れているようにとらえられる。
大関、さらには横綱昇進を決めることができた時、そのしこ名はどうなるか、期待しながら注目したい。
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