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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第十話 感想コラム【連載】
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第十話 感想コラム【連載】[写真拡大]
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
前前話、全話と、ギルベルト少佐の死を受け入れる過程の描写であった為に随分と暗く悲しい展開のストーリーが続いていたのですが、今回は少し雰囲気が変わります。筆者としては「涙する」事実は変わらないのですが、涙の質が「暗」ではありません。
今回の涙は、どこかこう、「スッキリ」とした「未来」を感じさせる涙ですよ。
Contents
1 ヴァイオレット・エヴァーガーデン のあらすじ2 届かなくていい手紙なんて、ないのですよ。3 直球な子供と素直なヴァイオレット4 ヴァイオレットの号泣に号泣5 ヴァイオレット・エヴァーガーデン の感想
■ヴァイオレット・エヴァーガーデン のあらすじ
大きなお屋敷へ訪れたヴァイオレット。そこには病気を患っている母親と、その幼い子どもの「アン」が住んでいた。7日間の契約で派遣されたヴァイオレットは、病気の母親と一緒に代筆作業を始める。しかし、母親の体調は思いのほか悪く、代筆作業はしばしば中断する事になった。
そんな様子を見ていたアンは、ヴァイオレットの事を「なにか良くないもの」として批判的に見ていたが、一緒に過ごす時間が増える度に、二人の距離は徐々に近くなっていった。
■届かなくていい手紙なんて、ないのですよ。
今話は泣かせてくれる要素がいっぱいでした。まずはちょっとわがままのお嬢様「アン」。悪い子ではないのですが、ちょっとわがままな女の子です。そしておそらく重病で余命が限られていると思われる母親。
母親を独占できないアン。子供目線で見ると、ヴァイオレットの存在は邪魔者でしかありませんよね。
しかし、アンはヴァイオレットと一緒に遊ぶうちに、次第に打ち解けていきます。そんな中でも、アンに対して大人対応を取り続けるヴァイオレット。天然の可能性もありますが、これには深い理由があるのです。
しかし、終盤にシーンになるとアンが部屋を飛び出します。後を追いかけてきたヴァイオレット。そこで二人の想いは衝突します。自分のわがままで母親を悲しませていると自責するアン。同様に、アンと母親の時間を消費してしまっている事実に自責するヴァイオレット。しかし、ヴァイオレットはアンに言います。
「人には届けたい想いがあるのです」
「そんなの届かなくていい」
「届かなくていい手紙なんて、ないのですよ。お嬢様」
正面からアンの気持ちを受け止めるヴァイオレット。とってもカッコイイ姿でした。
■直球な子供と素直なヴァイオレット
初めてヴァイオレットを初めて見たアンは、ヴァイオレットを「お人形」とズバッといってしまう。さすがはお金持ちのお嬢様!といった感じでしたね。自分と母親の時間を奪ってしまうヴァイオレットが、よほど疎ましく感じられたのでしょうね。
紅茶を飲むバイオレットに対して、飲んだどこに行くの?と聞くアンに対して、
「いずれ体内から排出され、大地に帰りますが・・・」
確かにその通りなんですが、ヴァイオレットのこの表現の仕方は面白かったですね。
なにかとバイオレットに対して敵対心を抱いていたアンでしたが、次第にヴァイオレットに心を開いていきます。
「ヴァイオレット!ヴァイオレット!!」
となにかにつけてヴァイオレットの名前を読んで呼びつけては、遊び相手をさせようとする。それに毎度付き合あってあげるヴァイオレットも、何んだか微笑ましい姿でした。
今話はのっけから悲しい展開でしたので、アンとヴァイオレットのこのシーンあたりが、ほっこりポイントになりました。
■ヴァイオレットの号泣に号泣
手紙のすべての理由、手紙の内容を知っているヴァイオレット。アンと仲良くなった後でも、アンとの一定の距離を保ち続けています。多分、ヴァイオレットがこの時にアンに与える事ができる、最大級の愛情表現なのだと想います。いつもと変わらない変化のない日常。なにも「変えない」というのも、ひとつの「愛」の表現方法なのかな?と想いました。
手を差し伸べ、優しい態度で接するだけが愛ではない。一定の距離を保ち、相手に深くかかわらない事も、愛情のひとつなんだなと感じました。ヴァイオレットはいずれこの家を去る身。ここにずっとそこに留まれない以上、アンに対して一定の距離を保つことが、このときに可能なベストな選択だったのでしょうね。
しかし、ヴァイオレットの心の内はまったく正反対だったような気がします。アンを抱きしめ、一緒に慈しみ、アンの気持ちに寄り添いたかったのではないでしょうか。そういった心の内にしまい込んだ想いが、GH郵便社に戻ってから一気に吹き出してしまったような号泣シーンでした。
当然ですが、筆者もここのポイントに合わせて号泣してしまいました。エンディングロールですでに嗚咽を漏らしてしまっていたのに、エンディングロール終了後にこのシーンです。思わず大きめの声まで出してしまいました。
■ヴァイオレット・エヴァーガーデン の感想
ギルベルト少佐の死について、ある程度自分の中で決着を付けたよう見えるヴァイオレット。受け入れる事が出来ないものを乗り越えてくれて、少しホッとしています。
今話は子供との母親の普遍的で永遠に続く愛がテーマのようでしたが、手紙の内容が分かった時には、筆者の瞳から流れ出る涙を抑える事ができませんでした。花粉症とも相まって、「鼻水」「涙」「むせび咳」とのコンボ状態でした。筆者の周りにいた皆さん。本当にすいませんでした。
ヴァイオレットが我を忘れて大泣きするシーンで、ふと疑問に思った事があります。ヴァイオレットの涙は、果たして誰の為に流されたものなのか?という事です。誰の為に流した涙であっても悲しいものに変わりはないのですが、少しずつ意味合いの違う涙になってしまいます。その判断は「アニメを見た私達」に投げかけられているのでしょうね。
でも、最後のシーンでは、幾分かの季節を一緒に過ごしていたようで、悲しい中にも温かさを感じるエンディングでした。
「愛する人は ずっと見守っている」
これが今話のタイトルな訳ですが、今回も本当に素晴らしい出来栄えです。「愛」というテーマでありながら、押し付けがましい、ありがちなラブストーリーではなく、静かで力強い愛を描ききっていました。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン。もし、あなたがまだ見ていないのであれば、是非第一話目から視聴してみて下さい。
(あにぶ編集部/とちろうこ)
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