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【編集長の視点】テクマトリックスは反落も連続最高純益更新、連続増配を見直し売られ過ぎ訂正へ逆張り余地
テクマトリックス<3762>(東1)は、前日8日に47円安の1638円と反落して引け、取引時間中に1610円まで売られて3月5日につけた直近安値1630円を下抜いた。しかし、同安値は、下ヒゲで形成し大引けには30円弱小戻しており、下値には売られ過ぎとして逆張りの買い物が入った。今回の株価下落は、今年1月31日に開示した今2018年3月期第3四半期(2017年4月~12月期、3Q)業績が、3月通期予想業績に対して低利益進捗率にとどまったことや、2度にわたる世界同時株安の直撃が背景となったが、同社株は、昨年10月も、今3月期第2四半期(2017年4月~9月期、2Q)累計業績が、期初予想をやや下ぶれて着地して窓を開けて急落したが、その後相次いだ新規サービスの提供開始などをテコに早期に窓を埋め、今年1月高値2253円まで3倍返しを演じており、今3月期通期業績の連続過去最高更新、連続増配、その後も相次いだ新規サービスを手掛かりに再現期待を高めている。
■次世代型メールセキュリティ製品や車載ソフトウェアのテストツールなどが堅調に推移
同社の今期3Q業績は、売り上げ165億300万円(前年同期比5.2%増)、営業利益9億3900万円(同6.4%減)、経常利益10億7700万円(同9.3%増)、純利益6億8300万円(同10.5%増)となった。前期に発売した次世代型メールセキュリティ製品やAI(人工知能)を活用した次世代アンチウィルス製品などが堅調に推移し、金融機関向けシステム開発も伸び、自動車のIT化に伴う車載ソフトウェアのテストツールの受注も増加したことから、売り上げは過去最高となった。ただ、子会社のクロス・ヘッドの事業構造改革の影響が残り、大手顧客向け大型案件の一部に不採算案件が発生したことなどから小幅減益転換した。今期通期予想業績に対する利益進捗率は、46%~48%にとどまった。
ただ、今3月期通期業績は、今期が「次の30年に向けた土台固めと方向付け(成長遺伝子の確立)」を掲げた中期経営計画の最終年度、仕上げ時期となり、第4半期に入っても次々に新規サービスの提供を開始し、さらに官公需比率が高く期末に業績が伸びる会計特性から期初予想を据え置いた。売り上げ240億円(前期比9.1%増)、営業利益20億円(同21.7%増)、経常利益22億円(同35.2%増)、純利益14億円(同37.5%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。配当も、年間18円(前期実績15円)へ連続増配する。
一方、新規サービスでは、今年に入っても1月に三井物産<8031>(東1)との医療機関向けクラウドサービス「NOBORI」の拡販を図る合弁会社設立を含めた業務提携契約を締結したのを手はじめに、オープンソフトウェアのセキュリティ&コンプライアンス管理ソリューション「WhiteSource」の販売、クロス・ヘッドによるコンタクトセンターサービス「Managed Connect Service」の販売などをそれぞれ開始し、2月26日にはLINEの法人向けサービスの「Technology Partner」に認定されたことなどが続いた。
■窓を開けた急落安値から3倍返しした昨年10月相場の再現期待を強め戻りを試す
株価は、今年年初に仮想通貨交換事業者からの不正流出事件発生でセキュリティ関連株人気を高めて昨年来高値2253円まで買い進まれ、今期3Q業績の低利益進捗率が響いて窓を開けて急落、さらに2度の世界同時株安が追い討ちとなって1610円安値へ突っ込み、25日移動平均線からは7%超の下方かい離と売られ過ぎを示唆した。昨年10月も、今期2Q累計業績が期初予想を下回って着地したことから窓を開けて1458円安値まで14%安したが、新規サービスの開始などで1カ月弱で穴埋めし、今年1月高値まで急落幅の3倍返しを示現した。再現連想を強め、一段の戻りにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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