NYの視点:ムニューシン米財務長官は短期のドルに言及せず、長期にはドル高が国益に叶う

2018年2月27日 09:03

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記事提供元:フィスコ


*09:03JST NYの視点:ムニューシン米財務長官は短期のドルに言及せず、長期にはドル高が国益に叶う
ムニューシン米財務長官はカリフォルニア州、ビバリーヒルズでの講演で、ドルは自由市場によって価値が決定されるべきだとの見解を示した。我々はドルに影響を与えるような政策方針を設定しないと言及。今までのように短期的なドルに関しては触れなかった。加えて、長期的に、強いドルは米国の国益に叶うとした。ムニューシン米財務長官は就任以降、繰り返してきた為替に関しての発言を変更。米国が貿易競争で有利となるようなドル安誘導をしていないことを暗に主張した。

ムニューシン財務長官は今まで、「短期的にドル安は貿易を支援し、長期的にはドル高は強い経済を反映する」と言及してきた。ルービン財務長官以来、伝統的となっていた「強いドルは米国の国益に叶う」との文言を使用しなかったため、市場では米国政府がドル安政策に転じたとの思惑も生じ、ドルはトランプ政権発足以降、金利の上昇にもかかわらず下落基調にあった。ムニューシン米財務長官はまた、本年1月25日にスイス、ダボスの世界経済フォーラムでもドル安が貿易を支援すると発言したとの報道も貿易赤字是正を目指すトランプ政権がドル安政策をとっているとの思惑を裏付ける形となった。

一時のようなドル売りの勢いはないが、上限も限定的な状況が続いている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル新議長はワシントン27日に下院金融サービス委員会で議長就任後はじめての半期議会証言を予定している。FOMC議事録と同じく経済に楽観的で、さらなる緩やかな利上げを示唆する発言を織り込む買いにドルの上昇が予想される。《CS》

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