【編集長の視点】アイビーシーは続落も増益転換業績にセキュリティー関連株人気が上乗せして巻き返しが有望

2018年2月6日 08:51

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アイビーシー<3920>(東1)は、5日に10円安の1615円と続落して引けた。同社株は、今年1月26日に発生した仮想通貨取引所・コインチェック(東京都渋谷区)の580億円にも相当する巨額な仮想通貨「NEM(ネム)」の不正流出事件に関連して、ネットワークインフラの性能監視のパイオニアとしてセキュリティー関連株人気を高めて昨年来高値1750円まで急伸しており、全般市場が反落したこと受けて週末を控え目先の利益を確定する売り物が出た。ただ同事件は、金融庁が、2月2日にコインチェックに対して財務内容やセキュリティー対策を調査するために立ち入り検査を開始したほか、すべての仮想通貨交換業者に対して管理体制の速やかな報告を求めたことなどから、なお関連株人気を再燃させることが有力となる。今2018年9月期業績も、新製品開発の先行投資フェーズから新製品発売による成長フェーズへの移行で、2ケタの増益転換が予想されていることも、押し目買いのフォローの材料となりそうだ。

■常時監視の新製品「G3」に加えIoTセキュリティーサービスも成長フェーズ入りを支援

 同社は、2002年に創業されソフトウエア「System Answerシリーズ」によりネットワークインフラを可視化し性能を監視するサービスを展開してきたが、昨2017年7月3日には、同シリーズの新製品「G3」を発売し、常時インフラシステムを監視し傾向を把握したうえで予兆を検知し事前の対策を行う情報監視ツールに高度化させ、同8月4日には24時間365日の有人監視体制でシステムの安定稼働・障害対応・改善提案する監視サービスの次世代MSPサービス「Speedy Action Management Services(SAMS)」の提供を開始した。

 さらに12月5日には、ブロックチェーン(分散台帳)技術を利用したIoT(モノのインターネット化)デバイス向けのセキュリティーサービスの実証実験の開始を発表、2020年に約365兆円、デバイス数で300億個と急拡大が観測されているIoT市場への攻勢を強める。今回のコインチェックの不正流出事件も含めて、同社の業績ステージが、先行投資フェーズからいよいよ成長フェーズに移行することを示している。

 このため今2018年9月期業績は、売り上げが14億円(前期比15.1%増)と11期連続の過去最高となるとともに、営業利益が2億1600万円(同15.8%増)、経常利益が2億1600万円(同27.8%増)、純利益が1億2900万円(同12.8%増)と2期ぶりの増益転換が予想されている。今年2月13日には、今期立ち上がりの第1四半期(2017年10月~12月期)決算の発表を予定しており、動向が要注目となる。

■急騰特性を発揮し分割権利落ち後高値2000円の奪回にチャレンジ

 株価は、昨年12月のIoTセキュリティーサービスの実証実験開始で2日間のストップ高を交えて1495円まで約5割高し、往って来いの1000円台下位から下げ過ぎ訂正で再騰、コインチェックの不正流出事件によるセキュリティー関連株人気が加わって昨年来高値1750円まで7割高し、スピード調整した。急騰特性を発揮し、昨年来高値抜けから2016年5月高値1947円、2015年11月末割当で実施した株式分割(1株を4株に分割)の権利落ち後高値2000円奪回にチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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