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三菱電機、6.5kV耐圧SiCパワー半導体開発 鉄道事業の躍進なるか
6.5kV耐圧フルSiCパワー半導体モジュール(写真:三菱電機の発表資料より)[写真拡大]
三菱電機は1月31日、独自の1チップ構造と新パッケージの採用により世界最高の定格出力密度を実現した6.5kV耐圧フルSiCパワー半導体モジュールを開発したと発表した。
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三菱電機は、鉄道の「走る」「止まる」「制御する」を1社で実現できるメーカー。国内を中心とした鉄道システムの納入実績を持つ。
高電圧の架線を利用している鉄道システム。高電力の効率良い変換(省エネ)や車輪の駆動が可能なパワー半導体は必須である一方、その小型化が求められる。それは車両の床下に変換器や電動機だけでなく、補助電源や情報制御器などを搭載し、鉄道システムの高度化を実現するためでもある。
今回の開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて実施したものであり、NEDOからも同様の発表がなされた。
●6.5kV耐圧SiCパワー半導体の特長
Siパワー半導体モジュールの最高耐圧6.5kVをフルSiCで実現。これは世界最高の定格出力密度を持つという。従来品に対して1.8倍の定格出力密度だ。加えて、フルSiCで対応したことにより、スイッチング損失は1/3に、動作周波数は4倍に向上した。
ダイオード内蔵SiC-MOSFETを1チップ化。高い熱伝導性と耐熱性を両立する絶縁基板と信頼性の高い接合技術により、高放熱、高耐熱小型パッケージ化を実現。部材メーカーのDOWA エレクトロニクス、三菱マテリアル、デンカ、日本ファインセラミックスとの連携という。
●高耐圧SiCパワー半導体(三菱電機、6.5kV耐圧)のテクノロジー
高耐圧化では2006年に1.2kV、2013年には3.3kVを達成。今回の発表は6.5kVであり、それをさらに大きく上まわる。鉄道車両用インバーターや補助電源装置など高耐圧への期待は大きいのであろう。
フルSiC化によりスイッチング損失の大幅な低減と高周波数動作が可能になる一方、省エネ化と小型化を実現。加えて、パッケージは、業界標準を目指したパッケージとの互換性を確保。大電力用途での標準部品としての位置づけであろうか。
なお、事業化の時期は未定である。要素技術の改善や信頼性評価を早急に実施。コスト削減や市場要求を見極めながら、投入していく予定という。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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