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トヨタが提案するモビリティの進化系、「e-palette concept」が話題騒然
家電見本市として世界最大規模を誇る「CES 2018」が、9日から米ラスベガスで始まった。過去にはビデオテープレコーダ(1970年)やコンパクトディスク (CD) プレイヤー(1981年)、ハードディスクレコーダー(1999年)など、時代の最先端技術を魅力的な家電商品に昇華させて発表されるイベントとして注目を集めていた。
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8日(現地時間)、そのCESでトヨタの豊田章男社長がプレゼンを行い、モビリティサービス専用EVとして、自動運転技術を進化させた「e-Palette Concept」を発表した。「コネクテッド」(つながる)という言葉がキーワードの一つになっている時代に、「家電ショーだ」「モーターショーだ」とジャンル分けをすることが無意味になっているのかも知れない。
「e-Palette Concept」は荷室ユニットを増減させて、全長を4~7m前後の3つのサイズに変更できるEVだ。低床・箱型の個性的なデザインでバリアフリーを実現し、フラットで余裕のある広い創造的な車内空間が提供される。利用者(サービスパートナー)は希望する使途に相応しい設備を搭載して、ライドシェアリングやホテル向け、リテールショップ等々へ自由で最適な仕様を実現できる。
長距離の走行や、充電時間に課題を残す現在のバッテリー状況を勘案し、長距離走行用途向けとして、コンパクトなマツダのロータリーエンジンを発電用に搭載したレンジエクステンダータイプも想定しているという。
「e-Palette Concept」は他社が開発した自動運転制御キットを搭載するために車両制御インターフェースを開示し、サービス事業者が必要とするAPIをモビリティサービスプラットフォーム上に公開して、より幅広い知見の活用を目指している。
当初提携企業としてモビリティサービス部門にアマゾン、ピザ・ハット、滴滴出行、ウーバーテクノロジーズが、技術部門にマツダ、滴滴出行、ウーバーテクノロジーズが参加する。サービスの初期段階から参加して、実験車両による実証事業を進め、「レベル4」の技術を搭載してエリア限定で完全自動運転を想定し、20年の東京五輪で大会関係者の移動という形でデビューしたい考えだ。トヨタが頼もしく躍動している。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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